六回、適時打を放った阪神・糸原健斗=京セラドーム大阪(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神5ー4中日、16回戦、8勝8敗、19日、京セラ)阪神は中日戦に5-4で競り勝ち、3連勝で優勝へのマジックナンバーを「21」とした。「1番・遊撃」で出場した熊谷敬宥内野手(29)が美技を連発し、糸原健斗内野手(32)が六回に代打で決勝打を放つなど、〝スーパーサブ〟が躍動。首位を独走するなかで選手層の厚さを見せつけた。
九回、中日・細川成也の打球を好捕した、阪神・熊谷敬宥=大阪市・京セラドーム大阪(撮影・林俊志)勝利を手にできる面々は、何も主力だけではない。1番・近本がスタメンから外れても、守備職人が、代打の切り札が、デビューを迎えた若虎がいる。普段はベンチを温める男たちがグラウンドに飛び出せば、スーパーサブ虎も強い!! 全員でつかんだ1勝に、藤川監督は胸をなでおろした。
「良かった、というところで。最初は若い選手たち、課題もありながらですけど、中盤以降はこれまでのチームで主に戦ってきたメンバーも出ながら、というところで」
熊谷がプロ初1番に名を連ね、下位打線は中川、栄枝、そしてこの日に1軍初昇格&スタメンでデビューを飾った井坪とフレッシュな顔ぶれも並んだ。17日から4人を入れ替えたスタメン野手8人の平均年齢25・9歳は今季最も若く、プレーにも躍動感があふれた。
「僕はまず守備から。打つのは二の次」と語る熊谷は好守で魅せる。四回無死一塁で中前に抜けそうな打球を処理すると、二塁キャンバスには右足を滑らせるように触れる華麗な足さばきから一塁に送球し、併殺を完成。さらに一打同点の九回1死二塁のピンチでは、細川の痛烈なライナーを〝ジャンプ一番〟で好捕し、守護神・岩崎を救った。六回にはリードを2点に広げる中前適時打も放ち、〝二の次〟の打撃でも存在感を示した。
その熊谷の快音を呼び寄せた男もまた、スーパーサブだ。同点の六回2死一、三塁で打席に立った糸原は、藤嶋の縦の変化球に食らいつき、しぶとく右前に運ぶ。「(代打は)一打席、一球しかない。その中できょうは結果が出て、チームが勝てたことが一番うれしい」。仲間の力になれた実感がこもる、今季初適時打となるV打だった。