九回、サヨナラ打で放った松山㊥はナインからウオーターシャワーで祝福された (セ・リーグ、広島4x-3巨人、16回戦、広島11勝5敗、4日、マツダ)仲のいい菊池の〝飛び蹴り〟を合図に、ナインから大量の水をぶっかけられた。広島が逆転でサヨナラ勝ち。ずぶぬれのユニホームのままお立ち台に上がった松山は、ほっと胸をなでおろした。
「本当に、今年一番緊張しました。若い投手陣が頑張っているんで最年長が頑張らないといけない。当たりはよくなかったけど気持ちが勝った」
1点を追う九回に逆転のカープが発動した。小園の適時打で3─3に追い付き、なお1死満塁で代打松山が打席へ。中川の初球を振り抜くと痛烈なゴロが一塁手のグラブを弾き、その間に三走が生還。本拠地を真っ赤に染めた3万348人の大歓声を一身に浴び、右手を天に突き上げた。
チームは今季4度目のサヨナラ勝ちで、首位阪神とゲーム差1・5のまま追走。この試合で代打通算100安打に到達した〝神様〟に、新井監督は「松山さん」と敬意を払いつつ「選手全員の力でサヨナラ勝ちができた」とうなずいた。
松山にとって、天国から見守る「じいちゃん」にささげる一本となった。昨秋に祖父・末吉政雄さんが88歳で亡くなった。九州国際大時代には飼育する牛を売って学費をサポートしてくれた恩人だ。今年1月に鹿児島に帰省した際は墓前で恩返しを約束。今季は代打成績・438(32打数14安打)と神懸かり的な活躍を見せている。
この日はお立ち台では定番の「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、俺、やったよ」を封印。その理由は「久しぶりなので。次は期待してほしい」。9月に38歳になるチーム最年長はまだまだ元気いっぱいだ。(柏村翔)