7月1日の阪神戦。お立ち台でポーズをとる中日・藤嶋健人とA・マルティネス=バンテリンドーム 今月1日の阪神戦(バンテリンドーム)で中日・大野雄が背中の張りを訴え、先発を回避した。その代役として白羽の矢が立ったのが、高卒6年目の藤嶋健人投手(24)。見事に3回無失点で役目を全うした。
7月1日の阪神戦に先発した中日・藤嶋健人「中継ぎ陣はいつも、大野さんには本当に助けてもらっている。こういう『助けられるチャンス』で恩返しというか、お礼はブルペン陣でできたかなと思います」
腕を振るたびにあげる雄たけび。普段のリリーフ登板でも、気持ちは前面に出るタイプだ。普段から長いイニングを投げてくれるエースを助けるべく、一球入魂を繰り返した。
アウトを重ねるごとに打球を処理した野手をたたえる振る舞いは紳士的。決して〝ヘラヘラ〟ではない、野球を楽しんでいることが伝わる高校球児のような笑顔もまた、ベンチの雰囲気を上向かせたように思えた。
中日・石川昂弥東邦高時代も藤嶋を取材し、投打両面で潜在能力の高さを見てきた。そのなかで彼が選んだのは投手の道。ドラフト会議も迫る2016年10月の岩手国体後に「誰よりも高いところ(マウンド)で野球をやりたいんです!!」と、そのときも笑顔で明かしていたのを覚えている。
そして、中日にドラフト5位で入団。3年目の19年には右手の血行障害に苦しんだが、復活を遂げてチームの力になっている姿は、こちらとしてもうれしいものだ。今季は29試合の登板で0勝0敗5ホールド、防御率1・38(11日現在)とブルペン陣の一端を担う。
代役先発を果たした1日は、石川昂弥内野手(21)が左膝の前十字靭帯再建術を終えた日でもあった。今季、走塁で痛めて戦線離脱を余儀なくされた同じ東邦高出身、3歳下の後輩が抱える苦しみやもどかしさ。藤嶋自身も投げられない時期があったからこそ、寄り添える部分がある。
「本人が一番、つらいと思いますけど、いずれはドラゴンズの4番を打つ男だと思うので、いまを耐えて(もらって)、そのときを待っています。できることをやって、真の4番になって帰ってきてもらいたいな、と思っています」
先輩のピンチを助け、後輩には優しいエールを送る。藤嶋の明るく頼もしい姿が、これからの竜を支えてくれることに期待している。(須藤佳裕)