会見でポーズを決める前川。目標は虎の背番号6だ(撮影・水島啓輔) 背番号6目指す! 阪神は13日、大阪市内のホテルで新人8選手の入団会見を行った。背番号も発表され、ドラフト4位・前川右京外野手(18)=智弁学園高=は「58」のユニホーム姿をお披露目。ド緊張の入団会見では矢野燿大監督(53)から背中を押され、将来的には金本知憲氏(53)がつけた背番号「6」を背負いたいと熱望した。
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金屏風(びょうぶ)の前で、背番号58が決意を語る。人生一度きりの新人入団会見。緊張の質疑応答を終え、前川はホッと息を吐いた。しかし、安堵(あんど)の瞬間はつかの間だった。これがプロの洗礼。矢野監督から早速のむちゃぶりだ。
矢野監督「顔を見ても、どう見ても根性がありそうなところが大好きです。前川、将来つけたい番号は何番だっけ?」
前川「6番です」
矢野監督「だそうです」
ほほえましいやり取りに会場も笑い声で包まれる。実はこれ、会見前の控室で打ち合わせ済み。指揮官は「『おまえ何番ほしいねん』って聞いたら『6番が』って言うから、『(会見で)言え、言え』って」と明かした。
ただ、目の前には多くのテレビカメラと報道陣。緊張のプロ初仕事に〝台本〟が飛んだ。口にしないのか、できないのか…。たまらず、矢野監督が話を振ったというわけだ。最後は司会進行のアナウンサーから「根性はありますか」と問われ、「あります!」とニヤリ。少々の失敗ではへこたれない根性⁈ 再び笑い声が沸き起こった。
「(6番は)金本さんの番号で、智弁学園に教えにきていただきましたし、偉大な方の背番号。まず、58番という背番号でしっかり頑張って、その先にあると思う」
6番への思いは本物だ。今年3月、テレビ番組の企画で奈良・智弁学園高を訪れた金本氏と初対面。「(教わったのは)下半身の回し方。平行に回すという基本がとても難しかった」と技術の高さに驚き、あこがれとなった。練習ではレジェンドと同じモデルのバットを振って汗を流してきた。
アニキのような打者になる-。入団会見では持ち前の根性で、大きな目標を口にした。「1年目から開幕1軍。一日でも早くと言っていたらキリがないと思うので、初めから活躍するという気持ちを強く持って、引くことなくやっていく」。ビッグマウスなことは分かっている。ただ、初めから無理だと決めつけていては、何も始まらない。
前川の1軍キャンプ帯同の可能性を示唆している矢野監督は「俺はビッグ(マウス)でいいと思う。言うときに勇気もいるし、言葉には大きな力がある」とその姿勢にうなずいた。もし、言葉通りの活躍をしてくれれば…。来季3年目の井上も成長すれば…。佐藤輝、大山と並び、外国人に頼らない国産の猛虎打線が誕生する。
「誰も達成したことのないような結果を残して、1年目から自分のパフォーマンスを出してやっていきます」
身長176センチながら、たくましい下半身が目を引く。高校通算37本塁打。今夏の甲子園大会でも2本のアーチを架けた聖地の申し子が虎にやってきた。アニキのつけた背番号「6」を目指して、前川は前人未到のスタートダッシュを決める。(原田遼太郎)
★輝に「学びたい」 前川は目標とする選手の一人に佐藤輝の名前を挙げた。「打席に入ったときの威圧感。バットを振らなくても打つなという雰囲気しかない。自分もそういった存在感だけでも、佐藤選手のような大きな選手になりたい」。2月の沖縄春季キャンプに参加できれば、そのプレーを間近で見ることができる。「学ぶことしかないので、学んでいきたい」。未来のクリーンアップ候補がさっそくタッグを組みそうだ。
■前川 右京(まえがわ・うきょう) 2003(平成15)年5月18日生まれ、18歳。三重県出身。白塚小1年時からソフトボールを始め、一身田中では津ボーイズでプレー。智弁学園高では1年から4番を打ち、甲子園に4度出場。準優勝した今夏は6試合で2本塁打、7打点、打率・455をマークした。高校通算37発。176センチ、88キロ。左投げ左打ち。
■阪神の背番号「6」 球団草創期に投打でチームを牽引した「闘将」景浦将(1936-39年)が最初につけ、巧打の遊撃手として活躍した藤田平(66-84年)、その後継者として入団した和田豊(85-2001年)らが引き継いできた。金本は広島からFA移籍した03年から引退する12年まで背負い、監督を務めた16-18年も現役時と同じ「6」をつけた。その後は空き番号になっている。