クロワデュノールがいよいよ始動。14日のプランスドランジュ賞で世界デビューする 今週の中央競馬は3日間開催。一方、海外では先週に続き、凱旋門賞(10月5日、パリロンシャン、仏GⅠ、芝2400メートル)の前哨戦が行われる。今年の日本ダービー馬クロワデュノールが、プランスドランジュ賞(14日、パリロンシャン、仏GⅢ、芝2000メートル)でシーズン初戦を迎える。世界デビューを前に、陣営に現在の状態や手応えを聞いた。
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いよいよ日本競馬界の夢を背負った戦いが幕を開ける。第92代日本ダービー馬クロワデュノールが、凱旋門賞の前哨戦となるプランスドランジュ賞に参戦。8月27日の国内最終追い切りに騎乗した北村友騎手は、言葉の端々に自信を込めた。
「不安なところはないです。夏場の暑い時期にコンディションを上げてきてくれているのは、本当にすごいと思います」
無傷の3連勝でホープフルSを制した昨年のJRA賞最優秀2歳牡馬。今春はクラシック1冠目の皐月賞こそスムーズさを欠いて2着に敗れたが、続く日本ダービーで世代の頂点に立った。
前走後は栗東トレセン近郊のノーザンファームしがらきへ放牧へ。6月に凱旋門賞挑戦が正式発表された。日本ダービー馬が3歳時に凱旋門賞参戦となれば、2022年ドウデュース(19着)以来。国内最終追い切りは栗東CWコースで6ハロン86秒5―11秒4を楽々とマーク。同29日に出国し、同30日に現地入りして調整を進めている。
3歳牡馬が凱旋門賞に挑むにあたり、前哨戦は同条件のニエル賞を選ぶことが多い。日本馬も過去にヴィクトワールピサ、キズナ、マカヒキ、ドウデュースの4頭がステップにしている。だが、クロワは日本の競馬ファンにはなじみのないプランスドランジュ賞を選択。ニエル賞は中3週だが、このレースは距離こそ2000メートルなものの、中2週の上に古馬混合戦。なぜ、ここから始動するのか。
斉藤崇調教師は「距離が一番ですね。2400メートルを(凱旋門賞を含めて)2回走るのはしんどいかなと。古馬なら大丈夫だと思いますが、まだ3歳馬ですから。GⅢなら相手関係も悪くなく、斤量も問題にならないので」と説明した。
パリロンシャンの馬場を経験させつつ、疲労を最小限に抑えて本番に向かうことを優先した。「(馬場の)適性はやってみないと分かりません。とにかくいいコンディションで出られれば」と鞍上。現地に赴き、追い切りに騎乗する予定。深い絆でつながれた人馬がパリロンシャンでの試走で、本番への視界を明るくする。(増本隆一朗)
★今年の凱旋門賞は日本馬4頭が参戦予定
今年の凱旋門賞にはクロワデュノール、ビザンチンドリームに加えてシンエンペラー(栗・矢作、牡4)、アロヒアリイ(美・田中博、牡3)も参戦予定。エンペラーは13日(日本時間14日未明)に昨年3着だった愛チャンピオンS(レパーズタウン、愛GⅠ、芝2000メートル)で始動する。アロヒは8月16日に仏GⅡ・ギヨームドルナノ賞を勝ち、現地で調整を続けている。ちなみにこのとき3着だったクアリフィカーという馬が、7日夜に前哨戦のニエル賞を勝った。
★プランスドランジュ賞(Prix du Prince d’Orange)
凱旋門賞のステップレースの一つ。パリロンシャン競馬場の芝2000メートルで行われるGⅢで、1着賞金は3万6600ユーロ(約597万円)。昨年まで3歳限定だったが、今年から3歳以上となった。負担重量は3歳牡馬が55キロで、4月14日以降にGⅠを勝っている馬は3キロ増となるため、クロワデュノールは58キロを背負う。過去に1976年イヴァンジカ、78年アレッジド、90年ソーマレスがこのレースを勝って、凱旋門賞を制した。