クロワデュノール(右から2頭目)は直線で抜け出し、後続の追撃を許さなかった(撮影・岡田亮二) (日本ダービー、2025年6月1日 15:40、GI、東京11R、芝・左2400m)
北村友一(38)騎乗のクロワデュノールが、直線で早めに先頭に立って押し切り、1番人気に応えて日本ダービーを制覇。皐月賞2着のリベンジを果たし、世代の頂点に立った。鞍上は3度目の挑戦でダービー初制覇。2着には中団から脚を伸ばした3番人気のマスカレードボールが入り、2冠制覇を狙った2番人気のミュージアムマイルは6着に敗れた。
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ホープフルSで流した涙はなかった。クロワデュノールを栄冠に導いた北村友騎手は、晴れ晴れとした表情でお立ち台に上がった。
「自分がダービージョッキーになった実感はなくて、クロワデュノールがダービー馬になれたことが本当に何よりうれしいです」
自身3度目、それも初めて1番人気で臨むダービーだったが、緊張はなかった。「馬と自分を信じること、それだけ。パフォーマンスを出し切れば負けないと信じていました」。ここまでやるべきことはやってきた。揺るぎない自信が騎乗に表れた。好スタートを切ると迷いなく先団へ。来るなら来いと言わんばかりに、馬場の真ん中に進路を取って残り300メートルで堂々と先頭に立った。「最後まで一生懸命追って、ゴール板を過ぎるまで確信はなかったです」。外から追いすがるマスカレードボールを3/4馬身振り切り、右手を天に突き上げた。
クロノジェネシスとのコンビで2020年の有馬記念を勝つなど、一躍スターダムへ駆け上がったが、翌21年5月、レース中の落馬により背骨や肩甲骨を骨折する大けがを負った。自力で起き上がれるようになるまで2カ月、ジョギングを始められるまで8カ月かかり、体重も46キロまで落ちた。心が折れそうになったこともあったが、「馬が好き、馬にまた乗りたい」という気持ちで自らを奮い立たせた。「ここに至るまでの20年間、または38年間、全てに意味があって、1つ1つがつながって、ここに至るんだなと感じました」。栄光も逆境も、今の自分の礎になっている。
北村友騎手は両手を挙げてスタンドの歓声に応えた(撮影・奈良武)デビュー前に騎乗したときから抱いていた大物感。「欠点がない馬」は想像通りにスケールアップした。それでも「ここで完成している感じではないので、伸びしろをすごく感じています」とさらなる高みを見据えている。22年に生まれたサラブレッド7950頭の頂点に立ったクロワデュノール。その輝きは、日本競馬を照らしていく。(山口遥暉)
■クロワデュノール 父キタサンブラック、母ライジングクロス、母の父ケープクロス。青鹿毛の牡3歳。栗東・斉藤崇史厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。戦績5戦4勝。重賞は2024年GⅡ東京スポーツ杯2歳S、GIホープフルSに次いで3勝目。獲得賞金5億3248万6000円。日本ダービーは北村友一騎手、斉藤崇史調教師ともに初勝利。馬名は「北十字星︵フランス語︶」
★アラカルト
◆北村友一騎手 3回目の騎乗で初勝利。これまでの最高着順は2009年(シェーンヴァルト)の6着。JRA・GⅠは本馬で昨年のホープフルSを制して以来、通算7勝目。同重賞は愛知杯(ワイドラトゥール)以来で今年2勝目、通算36勝目。
◆斉藤崇史調教師 管理馬4頭目の出走で初勝利。これまでの最高着順は22年(キラーアビリティ)の6着。JRA・GⅠは本馬で昨年のホープフルSを制して以来、通算9勝目。同重賞は小倉ジャンプS(スマイルスルー)以来で今年2勝目、通算24勝目。
◆キタサンブラック産駒 産駒4頭目の出走で初勝利。これまでの最高着順は22年(イクイノックス)と23年(ソールオリエンス)の2着。JRA・GⅠは本馬による昨年のホープフルS以来で、通算8勝目(ほかにJ・GⅠを1勝)。同重賞は京都ハイジャンプ(アンクルブラック)以来で今年5勝目、通算22勝目。
◆馬主…(有)サンデーレーシング 21年(シャフリヤール)以来の勝利で通算5勝目。歴代最多勝利となった。JRA・GⅠはヴィクトリアマイル以来で今年3勝目、通算84勝目(ほかにJ・GⅠを2勝)。同重賞もヴィクトリアマイル(アスコリピチェーノ)以来で今年5勝目、通算256勝目。
◆生産牧場…ノーザンファーム 23年(タスティエーラ)以来の勝利で通算13勝目。JRA・GⅠはヴィクトリアマイル(アスコリピチェーノ)以来で今年6勝目、通算219勝目(他にJ・GⅠを3勝)。同重賞もヴィクトリアマイル(アスコリピチェーノ)以来で今年27勝目、通算885勝目。
★入場&売り上げ
日本ダービーの入場人員は8万2040人で前年比104・3%。売り上げは315億4498万1600円で同105・8%だった。