■3月21日 国内に出したはずの手紙が、海外に住む赤の他人に盗み読みされる。例えれば、そんな不可解で不快な感覚か。無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が、中国で閲覧可能な状態になっていた問題である。LINEは今や全国で8600万人、日本の総人口の7割近くが利用しているという。
小欄も家族や友人、知人との間で頻繁に使う。たわいのない会話から、「パスワードなんだっけ」「暗証番号、忘れた」などと気軽に個人情報のやり取りもしてきた。それなのに、特殊詐欺など犯罪組織に利用される可能性もあったと思うとゾッとする。
政府などが個人情報保護法に基づき情報収集を始めたが、運営主体の安全管理面でのあきれたずさんさに不信感は募るばかりだ。当面、重要な情報のやり取りには使いたくない。政府や自治体、一般企業でLINEの一時停止が広がっているのは当然のこと。国防など国家機密に関する情報が中国に漏れていた可能性もゼロではない。
科学技術を含め、あらゆる分野の情報収集でも覇権主義に走る中国。日本のコロナ感染症対策の拠点、国立国際医療研究センターが昨年、中国やロシアから約530万件のサイバー攻撃を受けていたことが判明したばかりでもある。研究内容や個人情報の流出はなかったが、その数は前年の4倍を超えた。今回のLINE問題との関連の有無も気になるところだ。
ともあれ、情報通信の管轄は高額接待問題の渦中にある総務省。LINE問題の真相究明と改善を早急に進め国民に分かりやすく説明すれば、汚名返上の好機となる。タダほど怖いものはないは、身に沁みているはず。お手並み拝見といきたい。(森岡真一郎)