(セ・リーグ、巨人0-11阪神、16回戦、巨人12勝4敗、17日、東京D)天国の恩人に勝利を届けた。今季4勝目のウイニングボールは今までにない特別なもの。ソフトバンク・東浜は涙で言葉を詰まらせた。
「(ウイニングボールは)いつもは大事にしないんですけど、大事に保管してしっかりお供えしたい」
前日16日、チームに衝撃が走った。3軍のコンディショニング担当を務めていた川村隆史さんが、3軍の遠征先である神戸市内で、くも膜下出血のため55歳で急逝。工藤監督やコーチは試合前に伝えられ、選手たちは試合後に緊急に開かれた全体ミーティングで訃報を知った。
この日は全員が喪章をつけてプレーした。29年間にわたってチームをサポートしてきた川村さんは、確かな技術と明るい人柄で、多くの選手やスタッフに愛された。東浜にとっても大事な人。右肘手術で苦しんだ昨季、リハビリ組で常に前向きな言葉をかけてくれたのが川村さんだった。
絶対に負けられないマウンド。序盤からカーブでカウントを整えて緩急を付け、的を絞らせなかった。三~五回は立て続けに得点圏に走者を背負っても粘り、八回1死二塁では大田、中島をともに変化球で打ち取った。何より無四球と、課題の制球が安定。登板間の調整で「キャッチボールの時からリズムとテンポを気にして投げていた」と意識して取り組んできたことが実った。
今季最長の8回を無失点で投げ切り、0-0の九回に打線が2点を勝ち越して白星がついた。同じ沖縄県うるま市出身のドラフト1位で、4歳下の日本ハム・上原とのしびれる投げ合いで意地を示した。
「開幕して自分の中でも、もがきながらやってきて、やっとチームに貢献できた」
天国の川村さんのために、3年ぶりのリーグ優勝、そして4年連続の日本一をつかみ取る。