AIG全英女子オープン最終日(2日、英ロイヤルリザム・アンド・セントアンズGC=6601ヤード、パー71)日本女子7人目(8度目)のメジャー制覇を果たした桑木志帆(23)=大和ハウス工業=は類いまれなポテンシャルを持つだけでなく、大の負けず嫌い。桑木のトレーナーで試合に帯同している小楠(おぐす)和寿さん(42)がサンケイスポーツの取材に応じ、新ヒロインの素顔を明かした。
「どうしてもトレーニングがしたいので、お願いします」。3年前の7月2日。桑木から突然届いた連絡に、小楠さんは「この子はいい選手になる」と直感したという。
その日は「資生堂レディス」の最終日。当時20歳だった桑木は桜井心那とのプレーオフに敗れ、初優勝を逃していた。予定ではその夜に、次週の試合が開催される北海道に移動するはずだった。
ところが桑木はフライトをキャンセル。泊まっていた横浜市から小楠さんが務めるジムがある千葉市まで電車で向かった。着いたのは午後8時。真っ赤に腫れた目で黙々とトレーニングに打ち込み、終電間際まで汗を流した。小楠さんは「びっくりした。そういう部分があるから、今の桑木さんがある」と目を細める。
過去には稲見萌寧や西郷真央をサポートしただけに、桑木のポテンシャルの高さは十分に分かった。「体で分かれば、それを体現できる」。トレーニングに取り入れている野球のバッティング練習では、普段から慣れている右打ちより、左打ちの方が美しいスイングで的確にボールをはじき返す。身体感覚が秀でており「プレー中でも自分で修正する能力がある」と強みを説明した。
桑木の歓喜の瞬間を現地で見届けた小楠さん。「今日ぐらいはチヤホヤされてもいいと思う」とうれしそうに語ると、「いつも負けず嫌いでガムシャラなところが、桑木さんの実力や立ち位置をつくっている。そこは変わらずにいてほしい」。選手を支える人にとっても、忘れられない1日となった。(取材構成・鈴木和希)