(セ・リーグ、ヤクルト10-5阪神、4回戦、2勝2敗、28日、神宮)顔の高さまで外れていた一球―。見逃せば間違いなくボール。それでも強引に、豪快に振り抜いた。阪神・大山悠輔内野手(31)が一時3点差に詰め寄る3ラン。駆け足でダイヤモンドを回った男に笑顔こそなかったが、劣勢ムードの神宮の空気を一変させる衝撃弾をたたき込んだ。
「まずは1点という気持ちで打席に立ちました」
試合中に残した談話でも語ったように、立ち上がりに大量失点し0-6となったところから、意地をみせる一撃だった。
四回1死から森下翔太外野手(25)が二塁打、佐藤輝明内野手(27)が四球でつなぎ、この日初めて得点圏に走者を置いた局面。簡単に2球で追い込まれたが、右腕・吉村の高めに大きく外れた148キロを一閃した。打球角度22度で勢いよく伸びた打球はバックスクリーン右に着弾。3試合ぶりに放った4号は、神宮に駆け付けた虎党に反撃への望みを与えた。
同学年でもあり、長年主力としてともに虎を力強くけん引してきた近本光司外野手(31)が「左手首の骨折」で長期離脱が見込まれる。この日は中野拓夢内野手(29)、森下も自打球で途中交代するなど、不穏な空気が漂う一戦となったが、背番号3の一発は数少ない希望だ。13本塁打に終わった昨季の4号到達は6月4日の日本ハムとの交流戦(エスコン)だった。今季の25試合目での4本塁打はシーズン換算ではおよそ22発。22年以来、4年ぶりの大台20本に乗せるペースで量産している。
試合後は取材に応じずに球場を後にした背番号3。満塁弾を含む2連発を放った21日のDeNA戦(横浜)に続く空砲となったが、下を向いてはいられない。次こそは白星につながるアーチを架け、首位に返り咲く。(秋葉元)