阪神・佐藤輝明ら、ナインをむかえる阪神・藤川球児監督=みずほペイペイドーム(撮影・渋井君夫) (SMBC日本シリーズ2025、ソフトバンク1-2阪神、第1戦、阪神1勝、25日、みずほペイペイ)サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏(78)が、今年も日本シリーズ全試合をチェック。現役時代にソフトバンクの前身球団、南海と阪神でプレーした江本氏が、最高峰の舞台で実現した古巣対決第1ラウンドを分析した。
藤川は10年くらい監督をしているのか? そう感じたほど、見事なベンチワークだよ。
六回、先頭の近本が安打で出塁。レギュラーシーズンなら中野にバントさせるであろうケースで、いきなり初球、近本がスタートし、二盗に成功。ソフトバンクを動揺させるには十分だった。
実はこのとき、二塁送球が外野へそれたことに、近本は気付いていなかった。無死三塁のはずが二塁止まりでは…と思っていたら、今度は中野が三塁線へバント。ライン際でぴたりと止まり内野安打。普通ならファウルになる転がり方に映っただけに、ツキまでも味方につけたかな。
その流れを一気にモノにする。森下の遊ゴロで同点、佐藤輝の右中間二塁打で勝ち越しと、阪神らしい攻撃だった。
この1点リードを、きっちり守り切る。八回2死二塁で石井を投入し、九回も石井。ピンチこそ招きながら、絶対的な自信を持つ速球で、押し切った。最後は岩崎で、という型にはまる必要はない。これも流れからして、石井のイニングまたぎで正解だよ。
先発・村上も、よく1失点でとどめたものだ。真っすぐは上ずり、変化球は抜ける。これほど低めへ制球の利かない姿も珍しかったからね。
また、相手の勝ちパターンのリリーフ陣を引っ張り出したことにも、意義がある。早めに目を慣らしておくことが、できたわけだから。
いずれにしても、素晴らしいゲーム運び。ベンチの作戦もヨシ。采配通りに動ける選手もヨシ。勝ち方は、レギュラーシーズンそのままだったね。(サンケイスポーツ専属評論家)