ヤクルト秋季練習でナインが待つグラウンドに登場した池山隆寛監督しかし楽天で苦労したのだろう。ヤクルトが連覇した2022年。球団幹部が「あのチャランポランだった池山が、あんなにしっかりするとは思わなかった。連覇したのは2軍でしっかりやってくれたのが大きかった」と感謝していた。それだけに球団内にも「いつかは池山を監督に」というシンパが多かった。
本来なら、昨オフ池山監督が誕生していたかもしれない。ところが監督を決める衣笠オーナー代行が病に倒れ、前出の球団幹部は「回復してもらいたいけど、『なんで俺が知らない間に監督が代わってるんだ』となったら…」と悩んだ末に高津監督の続投を決定。高津監督と親しい関係者は「続投になって本人が一番驚いていた」と教えてくれたが、残念ながら巡ってきたラストチャンスを生かすことができなかった。
新体制をスタートさせた池山隆寛監督(左)は塩見泰隆らに積極的に声をかけた1軍の戦力が足りなくなれば、2軍も苦しくなる。今季はオイシックスより下のイースタン・リーグ最下位に沈んだ。3年連続〝ほぼ最下位〟のチームを率いることで、池山監督に心配の声も多い。
昨年91敗した西武は西口文也監督が2軍監督から昇格したが、同時に鳥越裕介ヘッドコーチ、仁志敏久野手総合コーチ、立花義家打撃コーチらが名を連ね楽しみになったが、発表されたヤクルトのコーチングスタッフは、1、2軍のシャッフルのみ。ファンが「これで大丈夫か!?」と思うのも無理はないし、「フロントは1年間何をやっていたんだろう?」というのが正直な思いだ。
もっとも特にセ・リーグは、雰囲気を変えればソコソコ戦えると思う。池山監督が明るいムードをつくり、いい外国人を獲ってくればわからない。村上宗隆内野手がメジャーに移籍すれば年俸6億円分が浮くのだから、フロントは大金を投じて池山監督をバックアップし、せめてファンが開幕前日までは「今年はいけるかもしれない」と期待に胸を膨らませられるような布陣をそろえてもらいたい。
■塚沢健太郎(つかざわ・けんたろう) 1994年から記者生活をスタートし、デビュー戦は長嶋一茂退場、翌日はグラッデンvs中西親志大乱闘。野村ヤクルト、長嶋巨人、野村楽天などを担当。産経デジタル、夕刊フジを経て2025年2月からサンスポに8年ぶりに復帰。19年11月に野村克也さんに公認された「生涯一記者」がコラムタイトル。自称ノムさんを一番取材した記者で「野村派は出世しないぞ」とボヤかれたとおりの人生を歩んでいる。