■9月9日 「阪神優勝」に「石破首相退陣」。大ニュースはえてして同じ日に重なる。7日の日曜日がそれで、ともに流れの先が早々と見えていてインパクトはさほどでもなかったが、新聞的にはできれば別々の日に願いたいもの。小紙はじめスポーツ紙は当然阪神の最速優勝が1面を飾ったが、ふと思い出したのが1985年9月11日だった。
ロス銃撃事件の「三浦和義逮捕」、27歳の人気女優「夏目雅子死去」、そして21年ぶりのリーグ優勝へ「阪神マジック点灯」…。編集局はハチの巣をつついたような状態だった。7日は「山本ノーヒットノーラン」が加わっていたら、そのとき同様さらに紙面の割り振りに苦慮したろう。
ドジャース山本由伸がオリオールズ打線を九回2死まで完璧に抑え、ノーヒッターまで「あと1死」の快投を演じた。しかし最後の打者になるはずのホリデーに本塁打を浴び降板した。フェンスがさほど高くなく、右翼手が一か八かジャンプしたら捕れたかもしれなかった。
ここで山本は降板したが、まだ2点リードで後1人投げさせてもよかったのに頼りない救援陣が案の定1死もとれず、まさかの逆転負け。しばらくは言葉も出なかった。采配に疑問も多く「解任論」がネットをにぎわすロバーツ監督は「前向きな姿勢は崩さない。進むしかない」と意地を張る。白旗をあげる前の石破首相みたいだ。
もっともドジャースには大谷という孝子がいて、日本時間8日のオリオールズ戦で菅野から2打席連続本塁打。連敗脱出に貢献した。日本人投手から打つのは多少複雑な気もするが、前日のうっぷんを晴らすにはこれ以上の本塁打はない。今日の紙面でたっぷり読ませてもらおう。(今村忠)