打撃練習で快音を響かせた日大三・田中諒=津門中央公園野球場(撮影・泰道光司) 全国高校野球選手権大会は23日、甲子園球場で日大三(西東京)―沖縄尚学の決勝が行われる。2011年以来14年ぶり3度目の頂点を狙う日大三は22日、兵庫・西宮市で約2時間の練習を行った。今大会2本塁打を放っている2年生の4番打者、田中諒内野手はフリー打撃で19本の柵越えを披露。2年生で1大会3本塁打を放てば、1984年の清原和博(大阪・PL学園)らに並ぶが「一番は(勝利に)貢献すること。記録は二の次」と日本一を見据えた。
灼熱の太陽が降り注ぐ兵庫・西宮市の津門(つど)中央公園野球場に鋭い打球音が響いた。沖縄尚学との決勝前日。日大三の主砲、田中諒は約15分間のフリー打撃で19本もの柵越えを放った。
両翼91メートルの球場で、左翼後方に設置されている高さ約15メートルの防球ネット上部を直撃する打球も披露。高校通算20本塁打の2年生スラッガーは「感覚は良い。すごくバットが振れています。あとは試合で結果を出すだけ」と自信をのぞかせた。
初の甲子園で2本塁打。豊橋中央との2回戦で決勝ソロ、関東第一との準々決勝でもソロを放ち、昨年の選抜大会で低反発バットが導入されて以降、1選手が1大会中に複数本塁打をマークするのは初めてとなった。
11日の豊橋中央戦後、緊張で食事がのどを通りにくかったことを明かしたが、本来は大食漢。「(宿舎の)ご飯がおいしく、食べてしまいました」と、体重は関西入り後に5キロ増えて97キロに。身長180センチで、胸囲は110センチと分厚く「パワーアップしている実感はあります」と話す。
2年生が夏の甲子園大会で1大会3本塁打を放てば、1984年に3発を記録した清原和博(大阪・PL学園)らに並ぶ。もっとも、田中諒は「個人記録は二の次。今はチームのことを考えたい。自分のスイングをして(優勝に)貢献したい」と視線を上げた。
沖縄尚学はともに2年生の末吉と新垣有が全イニングを投げ、チーム防御率0・96を誇る。同じ〝2008年世代〟の田中諒は「右腕(新垣有)も左腕(末吉)も腕が振れている。意識はするけど、試合の中では自分のことをしっかりやるだけ」と力を込めた。
〝107回目の夏〟を日大三の夏にする―。全国制覇を果たした2001、11年に続く頂上決戦で、夏は決勝では負けていない。「上級生がやりやすい環境をつくってくれて、今がある。泣いても笑っても最後の試合。何としても勝ちたい」。深紅の大優勝旗を懸けた戦いは、午前10時プレーボールだ。(加藤次郎)