グリフィン、西舘と巨人の先発陣に故障者が相次いだ8月、まさに救世主となって現れた。2年目左腕、森田駿哉投手(28)が6日のヤクルト戦(東京ドーム)でプロ初先発し、6回2安打無失点で初勝利。さらに中5日で先発した12日の中日戦(同)でも7回2安打無失点の好投を見せ、9連戦で2勝を挙げる大活躍を見せた。
快投劇の裏で、珍しいデータが浮かび上がった。投球解析などを行う巨人のDAチームの担当者が明かす。「平均球速が、ファームで投げていたときよりも2キロくらい上がっています」。さらに、「ファームで投げているときもフォークは投げていましたが、どちらかといえばシュートとか、動かす球が良いという見解だった。それが1軍ではしっかり空振りの取れる数値が出ている。2軍のときの数値と比べたら不思議ですけど、1軍では抑えるべくして抑えていると思います」と続けた。
森田の今季の2軍成績は、14試合で6勝5敗、防御率3・59。他に比べて突出しているとはいえず、ここまで1軍から声はかからなかった。2軍で結果を出せても、レベルや注目度、プレッシャーも格段に上がる1軍では本来の力を出せずに終わる選手も多いプロの世界で、森田は逆に球速、変化球ともに数値を向上させているという。この〝変貌〟に、杉内投手チーフコーチも「2軍の成績を見ても突出したものはないのに、1軍であれだけ抑えられる。1軍向きなんでしょうね」と語っていた。
本人に1軍の方が球速が上がっていることについて聞くと「ほんとですか? それはよかったです。(理由は)自分も分かんないです」とケロリ。富山商時代は甲子園でも活躍した。やはり、大舞台に強いのか―。「いや、そんなことはないです。緊張しているんで」と笑顔で否定した。
同学年でバッテリーを組む岸田は、高校日本代表で同部屋だった森田について「テンションが高かったり、低かったり。ちょっと不思議で面白かった」と明かした。これも本人に尋ねると、「何考えているか分からないってよく言われます。何も考えていないだけなんですけどね」と笑った。このつかみどころのなさも、なかなか相手打線につかまらない要因の一つかもしれない。(浜浦日向)