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【球界ここだけの話(3874)】防御率0点台のヤクルト・大西広樹「頼れる球が2、3球種あればいいなと」 球宴の経験を教訓に決めた球種の取捨選択

ヤクルト・大西広樹(撮影・長尾みなみ)

ヤクルト・大西広樹投手(27)が、勝ちパターンの一角として圧倒的な存在感を放っている。昨季60試合に登板した鉄腕リリーバーは今季、開幕前のコンディション不良で出遅れたものの、8月18日までに35試合に登板し、3勝1敗、防御率0・53。抜群の安定感を生み出している背景には、思い切った取捨選択があった。

「去年はいろいろなボールを投げまくっていたけど、周りの話を聞いたら(球種は)絞れた方がいいと思った。頼れる球が2、3球種あればいいなと。困ったとき、状態が悪くなったときに(頼れる)変化球をもっている方がいいという感覚で今年は絞った」

きっかけは夢の祭典だった。2年連続でオールスターに選ばれた右腕は、初出場した昨年の球宴の第2戦で登板し、1回6安打4失点。最大の武器のシュートボール以外の変化球を痛打される場面が目立った。「他の球だけでは抑えられないと痛感した。その経験が今年に生きている」。試合前などに大商大時代から交流のあった巨人・山崎伊ら他球団の選手の感覚を聞いたことで、自身の考え方の引き出しを増やした。

昨年は、7つの変化球を駆使していたが、今季はここまでシュート、フォークボール、スライダー、シンカーの4球種のみ。武器であるシュートと直球を生かすため、指先の使い方が真逆のカットボールなど、他球種の変化量に影響が出る球種を優先的に削った。2年連続選出となった今季の球宴。マイク装着する中での投球で、テレビ解説をしていた松坂大輔氏にキャンプで習った〝松坂スライダー〟を決め球に勝負していた姿は記憶に新しいだろう。

ここまで登板数はまだ少ないものの、40試合連続無失点のプロ野球新記録を樹立した阪神・石井に引けを取らない好成績を残している。それでも本人の分析はいたって冷静だった。「去年はボール自体がよかったので、自信をもって投げていた。今年に関してはまだ(状態が)上がりきっていないし、『打てるもんなら打ってみろ』という気持ちではいけていない。一日一日が勝負なので、欲を出さずにできることを全力で続けていければ」

新スタイルで腕を振る背番号44の躍進は、ここからだ。(樋口航)

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