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【Monthlyバファローズ】オリックス・岩崎翔「どうせなかった命…けがするまで全力で投げていい」

インタビューに応じたオリックス・岩崎。「この移籍がなかったら…」と何度も繰り返した(撮影・甘利慈)

 オリックスのキーマンをピックアップして1カ月を振り返る月イチ企画「Monthly バファローズ」の最終回は5月30日に中日から金銭トレードで加入した岩崎翔投手(35)が登場。〝七回の男〟として新天地で完全復活を遂げたベテランは、移籍をきっかけとした心境の変化こそが躍進の要因であると明かした。

――移籍してからここまで23試合に登板

 「働ける場所というか、その機会をいただけたからこそだと思っています。そういう思いはなくさないようにと思いながら、日々過ごしています」

――移籍が転機になった

 「もしかしたらあのままだったら野球人生が終わっていたのかもしれない。もし、オリックスの投手陣にこんなに故障者がいなかったら、(移籍の)話もなかったと思いますし、すべてのタイミングが合ったからこそだと思っているので、本当に(両球団に)感謝の思いはすごくあります」

――入団会見では身を粉にして貢献したいと話していた

 「変な言い方をしたら、どうせなかった命というか。どうせだったらけがするまで全力で投げていいのかなという気持ちです」

――もう一度、やれるという自信や手応えもあった

 「今年に関してはすごく手応えを感じて投げられていました。あとは気持ちの部分。期待してもらったり、いい場所で使ってもらっていることが大きい。意気に感じて投げるタイプなので、それが全てなのかなと思います」

――勝ちパターンの七回に起用されている。首脳陣の期待も感じる

 「結果で示していくしかないと思っていますし、これからもしっかりとした結果を残していきたいと思っています」

――心身ともにいい状態か

 「もうめちゃくちゃ毎日が楽しいですし、充実していると思います。この移籍がなければこういう思いはできなかったと思います」

――7日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で160キロを計測した

 「真っすぐが(強く)いかなくなってくると投手としてしんどくなってくると思う。特に僕はいろいろな球種を操って投げるタイプではなく、パワー系の投手なので、真っすぐが武器だと思っています」

――スピードへのこだわりは

 「あまり持っていないですね。ただ、この年齢で大台に乗れたというのは素直にうれしかったです」


――新天地で活躍できている要因は

 「技術的には毎年、毎試合ちょっとずつ変えていますが、一番は気持ちの部分。移籍してきて周りからどういう目で見られるかといったらやっぱり成績や結果が大事。『あの人、すごいな』と思ってもらえるようにという気持ちが大きいのかなと思います」

――練習時は常に才木が隣にいる。弟分のような存在にも見える

 「気づいたら(僕に)ついてきていましたね。別に僕は人に(助言を)求められたら教えるけど、自分から教えるのはあまりしないタイプ。特に今は彼に聞かれてもないから、あまり教えないようにはしてます(笑)」

――ソフトバンク時代は優勝も経験。そういう経験が生きている

 「すごい選手ばかりでやっぱり強いチームだった。その人たちがどういう意識で(練習やプレーを)やっていたのか、どういう思いでチームを動かしていたのかというのは見てきたつもりです」

――先輩の姿を若手が見習うというのは強いチームの伝統か

 「小久保(裕紀、現ソフトバンク監督)さん、松中(信彦、現中日打撃統括コーチ)さん、川崎(宗則、現BC栃木)さんとか、その世代の人たちは特に後輩に背中で見せるということを意識していたと聞きますし、それがホークスの伝統となっていると思う。僕もそこまでできているかわからないですけど、チームがいい雰囲気になればいいのかなと思います」

――今のブルペンの雰囲気は

 「めちゃくちゃいいと思います。僕はある程度、気を張っておかないとダメで、あまり気持ちを抜かないようにしています。みんなは出番が来るまでは家にいるんじゃないかというくらいリラックスしています」

――中継ぎをやっていてよかったと思える瞬間は

 「先発投手に勝ちがつくことが全てかなと思います。若い時は先発投手ばかり…と思うことは多少ありましたけど、今はそういう思いもない。先発投手に『ありがとう』といわれることがやりがいです」

――若手の頃から野球観は変わった

 「いい時も悪い時も味わったので、変わってきています。今は自分のことよりもチームに貢献できればという思いが一番強い。あとはけがしてでも腕を振ってやろうとか、この1年で(野球人生が)終わってもいいやと割り切れるようになったと思います」


――残りのシーズンへの意気込みを

 「厳しい戦いが続くので、1試合でも多く投げたいと思いますし、完璧に近い形で次の投手につなぐこと、勝ちゲームを落とさないことがすべてだと思います。結果にこだわって、チームに貢献したいと思います。この時期にそういう(上位)争いができる位置にいるというのは幸せなことですし、僕自身は久しぶりなので、楽しみたいと思います」

★8月に自己最速160キロ

 岩崎は6月15日の巨人戦(京セラ)から7月10日のソフトバンク戦(同)まで9試合連続無失点を記録するなど、7月は9試合で1勝0敗、2ホールド、防御率1・00と好成績を残した。8月5日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では自己最速となる159キロを計測し、7日の同戦では自己最速を更新する160キロをマーク。さらに同15―17日の西武戦(京セラ)では8年ぶりに3連投した。

★取材後記

 すべての歯車がかみ合うかのように、移籍というきっかけを機に岩崎の野球人生が一変した。

中日在籍時は右肘の靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を経験。挽回を期す思いで臨んだ今季は投球に手応えを感じていながらも、チーム事情などもあってなかなか日の目を浴びる機会に恵まれずにいた。そんな状況で救援陣に故障者が続出していたオリックスへの移籍が決定。たまっていた思いやパワーを吐き出すかのような目覚ましい活躍ぶりは記すまでもないだろう。

以前に厚沢投手コーチがこう話していた。「チームにとっても(岩崎)翔にとっても〝ウィンウィン〟でしかない」。今年の岩崎を語るにはこの一言がピッタリな気がする。インタビュー中は「この移籍がなかったら…」と何度も繰り返していた。喜々として今を語る岩崎の表情が輝いていた。(オリックス担当・織原祥平)

■岩崎 翔(いわさき・しょう) 1989(平成元)年10月21日生まれ、35歳。千葉・船橋市出身。市船橋高から2008年高校生D1巡目でソフトバンク入団。17年に球団新記録の46ホールドポイントで最優秀中継ぎを獲得。21年オフ、FA移籍した又吉克樹の人的補償で中日移籍。今年5月30日に金銭トレードでオリックス移籍。今季は23試合登板、3勝0敗9ホールド、防御率1・64。通算348試合登板、34勝33敗11セーブ、106ホールド、防御率3・49。189センチ、90キロ。右投げ右打ち。背番号「40」

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