サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏(77)が今年最後のひがみ…ではなく、注意喚起。契約更改交渉で続く〝大盤振る舞い〟。その裏に潜む「落とし穴」を指摘した。(構成=内井義隆)
--更改では2億、3億、5億円…と派手な見出しが躍りました
「1年かそこらの活躍で、スーパースター並みだもの。トップクラスにずっと君臨する選手には大盤振る舞い。その他はごっそり削られる-という昔の構図とは、ずいぶん違う。どの球団もよほど、もうかっているのだろうね」
--そういうことで
「そして、ここには落とし穴がある。大金を稼いで喜んで、とりあえず安心して、去年くらいやればいいかとつい考えて、テンションも上がらない。結果、翌年の成績が下がる。そんな選手がどれだけいるか。お気をつけあそばせ、だ」
--確かに
「去年並みの成績を挙げようと思ったら、去年以上に練習する必要があるんだ。最初に言った『1年かそこらで終わるか』『ずっと君臨するか』の差は、そこに表れる。何年も続けられないと、チームにプラスにならない。なにより自分にとっても、もったいないじゃないか」
--おっしゃる通り
「エモトはいまでも思い出す。東映から南海に移籍したプロ2年目。前年0勝から16勝と、大きく勝ち星を伸ばして年俸アップ。担当記者団の前に出ると…」
--囲まれましたか
「ある記者に『何年か続けたら、その時に話を聞いてやるわ』とあしらわれて、そっぽを向かれた」
--厳しい
「そこから8年連続2桁勝利を挙げたのは、あれが発奮材料の1つになったともいえる。それでも、年俸は最後まで、いま大盤振る舞いされている選手の、10分の1にも届かなかった」
--切ない
「断っておくと、ひがんでいるわけではないよ。いい時代になった、球団経営も立派になった、ファンさまさまだと、つくづく思う。だからこそ、来年以降も好成績を残してもらいたいわけだ」