【デンバー(米コロラド州)27日(日本時間28日)=丹羽政善通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)はロッキーズ戦に「1番・DH」で出場し、今季54号3ランを放つなど5打数4安打4打点をマーク。打率・309でトップと5厘差に迫り、残り2試合で史上12人目の三冠王を狙える位置に浮上した。二回には二盗を決めて今季57盗塁とし、2001年のイチロー(マリナーズ)を抜いて日本選手のシーズン最多記録を更新。チームは11―4で勝った。
前夜、全身に浴びたシャンパンを新たな活力に快音を連発した。大谷が特大の54号3ランを含む4安打で4打点。敵地にもかかわらず、「MVPコール」がわき起こった。日本選手最多の57盗塁も決めて「54―57」としただけでなく、三冠王という新たな金字塔に近づいた。
「三冠王争いから目が離せない。(残り6本の)200安打も視野に入るし、実現可能な事象は彼の射程範囲だ。翔平は視界に入ったものの全てを捉えようとしている」。取材対応のなかった大谷に代わり、ロバーツ監督が偉業達成に期待を込めた。
地区優勝を決めても気の緩みは全くない。二回に右前適時打を放つと、クアントリルの牽制(けんせい)球をものともせず、続くベッツの打席の2球目にスタート。34回連続成功となる二盗で、56盗塁で並んでいた2001年のイチロー(マリナーズ)を抜いて日本選手のシーズン最多盗塁記録を樹立した。
6―2の六回無死二、三塁では、高めに浮いたチェンジアップを完璧に捉えた。4試合ぶりの54号3ランは、あっという間に右翼席に刺さる飛距離約133メートルの特大弾。歓声とどよめきに包まれる中、大谷はうつむきながら走り出した。これで2位のオズナ(ブレーブス)に15本差とした本塁打、130に乗せて2位のアダメズ(ブルワーズ)に19差とした打点のナ・リーグ2冠は確定的だ。
さらに四回の右前打、八回の左中間二塁打を合わせた今季4度目の4安打で打率・309とし、打率・314でトップのアラエス(パドレス)と5厘差とした。残り2試合でトリプルスリー達成は確実。2012年のカブレラ(タイガース)以来、1920年に打点が正式な記録となってから史上12人目の三冠王を射程に捉えた。
この日、3安打をマークしたアラエスも残り2試合。大谷は同じ成績では及ばない。それでも、ここ8試合で1試合6安打を含む4安打以上が3度ある確変モードなら…。
ロバーツ監督は「自分だったら、彼を信頼するね」と結んだ。昨年手術を受けた右肘のリハビリ中でDHに専念し、記録と歴史を塗り替えてきた2024年。自身初のポストシーズンにつなげるためにも、最終戦まで全力を尽くす。