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【記者の目】「SNS時代」と「大谷の誠意」が生んだ大混乱

大谷翔平

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)8日(日本時間9日)】米大リーグでエンゼルスからフリーエージェント(FA)となり、契約交渉が大詰めを迎えている大谷翔平投手(29)の動向を巡り、米メディアで情報が錯綜(さくそう)する異例の事態となった。早ければ8日(同9日)にも決着するとの見方が強まる中で、大谷がブルージェイズの本拠地トロントに向かったとの情報が飛び交い、交流サイト(SNS)で一騒動があった。

騒動の背景は、SNS時代での競争激化だ。米メディアでは、記者やアナウンサーが個人の名義でX(旧ツイッター)から投稿する。会社への所属はあるが、彼らのほとんどが日本でいう正社員ではなく、個人事業主として新聞社や放送局、ウェブメディアと契約している。つまり、スクープの速報性と数は、ジャーナリストとして自らをアピールし、自身の価値を高める場だ。誰が早く正確に報じたか。それが彼らのモチベーションだ。

今回、大谷の去就報道では、歴戦の米メディアからも具体的で信憑(しんぴょう)性の高い情報がなかなか出ない。大谷が自らの去就について報道ベースで各所に伝わることを避けたい、と考えているかもしれない。オファーを届けてくれた球団への誠意を示すためだ。

6年前のエンゼルス入団会見。大谷の人間味がにじむコメントがある。

「断らないといけない球団が出てくる。すべての人に(自分が)〝いい人〟になることはできないし、申し訳なかった。一生懸命、資料を作ってくれて、いろんな球団と話す中で結局、一つしか行けない事実に最後はすごく悩みました」

大谷の決断が長引くことで移籍市場が停滞する、との指摘もある。ただ、野球人生を懸けた決断を熟考するのは当然の権利。空前絶後のスーパースターはどの球団を選ぶのか。世界中がその瞬間を待っている。(大リーグ担当・山田結軌)

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