(SMBC日本シリーズ2023、オリックス5-1阪神、第6戦、3勝3敗、4日、京セラ)もう後がない試合で、中嶋監督が若い力に中軸を託す大胆な起用をみせて勝利をもぎ取った。星を五分に戻して第7戦に持ち込み、胸をなでおろした。
「完全に追い込まれてました。(対戦成績で)タイにできてよかったです」
信じてグラウンドに送り出した選手がそれぞれに呼応した。紅林を3度目の日本シリーズで初めて3番に起用。2-1の五回に左中間越えの2ランを放って期待に応えた21歳の若武者に「『やっちゃいけないことやったのかな』と思いましたけど、なかなかいい仕事しましたよね」と目を細めた。
9月中旬に左足甲を疲労骨折した頓宮も、一貫してクリーンアップに据え続けた起用が実り、八回に今シリーズ2号となるソロ本塁打を放った。
そして、固く信じて先発のマウンドに送り出した山本も、日本シリーズ最多記録を更新する14奪三振で1失点完投。第1戦は六回途中10安打7失点と振るわなかったエースに「前回やられたけど、『山本由伸が2回連続でやられるわけがない』と信頼して出しました」と信じ抜いた思いが通じた。
「『今日はリミットないよ』と伝えていましたし、本人もだんだん力が抜けて良い感じになったと言っていましたので(九回も)行きました」
さあ、勝負を決する大一番・第7戦へ-。お立ち台から、本拠地のファンに呼びかけた。
「本当にここまでですけど、いいゲームできていると思っています。明日、決戦となりますので、みなさん大きい声で、声枯らして、のど飴持って、しっかり応援してください!」
2年連続の日本一で王手をかけた。最終決戦でも堂々とタクトを振るうのみだ。(上阪正人)
■データBOX
◉…オリックスが勝利し、3勝3敗のタイとし、シリーズ連覇に王手をかけた。シリーズで3勝3敗となったケース(引き分けを含む)は2013年の楽天-巨人以来10年ぶり22度目。過去21度のうち、先に王手をかけた球団の日本一が10度、逆王手の球団が11度とほぼ互角
◉…本拠地で3勝3敗に追いついたケースは03年のダイエー-阪神以来20年ぶり10度目。過去9度のうち、本拠地球団の日本一は、1980年の広島、83年と91年の西武、03年のダイエーの4度