【ニューヨーク28日(日本時間29日)=山田結軌】米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)が最も活躍した指名打者(DH)に贈られる「エドガー・マルティネス賞」に日本選手として初選出された昨年に続いて受賞した。メジャー5年目の今季は投打二刀流の活躍で「2桁勝利、2桁本塁打」や史上初の「規定投球回、規定打席」のダブル到達を達成しながら、シーズン後の表彰では最優秀選手(MVP)などを逃していたが、これが今オフ初の受賞となった。
歴史的な二刀流のセカンドシーズンも1年前とは対照的だ。昨オフの大谷はア・リーグ最優秀選手賞(MVP)などタイトルラッシュだったが、エドガー・マルティネス賞が今オフの初栄冠となった。
「個人的にはすごくいいシーズンだったと思っています」
大谷は17日(同18日)のMVP発表時にMLBネットワークでインタビューに応え、自身のパフォーマンスを総括していた。
メジャー5年目の今季は1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利、2桁本塁打」に加え、「規定投球回、規定打席」のダブル達成も果たすなど、昨季と遜色のない大活躍だった。
打者として打率・273(ア・リーグ25位)、34本塁打(同4位)、95打点(同7位)の好成績を残したが、今オフの賞レースではア・リーグ新記録の62本塁打をマークしたヤンキースのジャッジが、昨年は大谷が受賞したリーグMVP、最優秀野手、選手会の年間最優秀選手などに選出されていた。
各チームの監督、コーチの投票によって選ばれるシルバースラッガー賞(DH部門)も世界一となったアストロズのアルバレスの後塵を拝していたが、報道関係者や各球団広報の投票で決まる、今回の「エドガー・マルティネス賞」ではライバルを上回った。
アルバレスは左翼手として56試合に出場しており、DHでは77試合で打率・299、19本塁打、52打点。純粋なDHの成績では圧倒し、2003-07年のデービッド・オルティス(レッドソックス)以来となる2年連続の選出を果たした。
大谷は打撃面の今後の課題について、「逆方向へスピンの効いた打球がもうひと伸びするフィジカルだったり、スイングの強さがあれば、もっともっといい数字が残った」と語っている。既に帰国し、オフのトレーニングは開始している。来年3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の参戦も宣言し、2023年への準備を着々と進めている。
■数字でも圧倒 エンゼルスの公式サイトは待ちに待った大谷のタイトル獲得を速報。今季、DHで19本塁打、64打点以上をマークしたのは大谷ただ一人で「DHのみの数字を見ると、大谷が重要な成績の全てで(アルバレスを)大きくリードした」と受賞理由を解説した。また、AP通信は「DHの中で安打数、得点、本塁打、打点、四球と全てでトップ。また、球団記録タイとなる6試合で複数本塁打以上、18試合連続安打も記録した」と伝えた。
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