(日本生命セ・パ交流戦、ヤクルト6-9日本ハム=延長十回、3回戦、ヤクルト2勝1敗、26日、神宮)野球の面白さと残酷さを改めて感じさせた計11時間42分に及んだ3連戦。交流戦初白星を挙げた日本ハム・新庄剛志監督(50)は充実の笑顔で振り返った。
「明日、心臓のクリニックに行ってきます(笑)。この3試合、世界中の野球ファンに見せたいぐらいだった。今日もガッツポーズしすぎて肩が痛い。ヤバっ」
この日も3連投で最後のマウンドを託されたのはD8位・北山(京産大)だった。24、25日と実に44年ぶりに2日連続でサヨナラ本塁打を浴びたルーキー守護神。ビッグボスから「これだけのファンが遅くまで残って応援してくれているんだから(逆境を)越えていけ!」と送り出された北山は1点を返され、なお2死一、三塁で25日にサヨナラ3ランを許した山崎を149キロの直球で中飛に仕留めた。23球全てが直球だった。
「ここで逃げるような投球をしたら、何の成長もない。真っすぐは〝それしかない〟という気持ち。プロで勝つということは大変なんだな、と改めて実感しました」
京都成章高2年春から3年春まで打ち込まれたことで、思った動きができなくなる心因性の症状のイップスになり、マウンドから本塁までの18・44メートルの距離さえ届かなくなった時期もあった。あれから5年…。たくましくなった男の姿がそこにあった。
メンバー交換のとき、昨年の日本一監督の高津監督から「ファイターズもいいチームになってきているね。特にクリーンアップは面白い」との言葉を掛けられたという指揮官。敗戦も勝利も糧にして、ナインは確実に成長を遂げている。
「いやー、面白かったぁ。こんなに楽しいことはない」
5月26日はビッグボスが30年前に記念すべきプロ初本塁打を放った日でもあった。(東山貴実)