佐々木朗は八回完全で降板したが、試合のチケットは完売。快投に2万9426人のファンは熱狂した(撮影・田村亮介) ロッテ・佐々木朗希投手(20)が17日、日本ハム4回戦(ZOZOマリン)に先発し、八回まで一人の走者も許さず、0―0の九回表から交代した。完全試合を達成した10日のオリックス戦(同)に続く快投を見せたが、米大リーグを含めて史上初となる2試合連続の偉業は逃した。チームは延長十回、0―1で敗れ、井口資仁監督(47)は「先々のことを考えた。七回が終わった時点で朗希が少しへばりつつあった」と説明した。
ZOZOマリンが異様な雰囲気に包まれた。八回裏の攻撃を終えると、井口監督が青木球審に投手交代を告げる。佐々木朗はマウンドに向かわず、自軍ベンチの最前列に座った。世界初となる2試合連続の完全試合は逃したが、「令和の怪物」は納得の表情で振り返った。
「もう1イニング投げればというところでしたが、途中で疲れました。首脳陣の判断ですし、試合中に木村さん(投手コーチ)と話しながら、納得する形で降りました」
試合のチケットは3年ぶりに完売。観衆2万9426人が見つめる中、20歳5カ月の最年少で完全試合を達成した10日のオリックス戦に続き、異次元の投球を見せた。
一回に最速163キロ(自己最速164キロ)を記録し、八回2死からも野村を163キロの速球で見逃し三振に。102球中、57球投げた直球の平均球速は159・70キロ。七回には球場内で流れる日本ハムの応援歌「ファイターズ讃歌」を口ずさむ余裕さえみせた。試合が延長に入り、続投して九回を抑えたとしても完全試合とはならなかったが、セーフティーバントでの攻略を予告していた新庄監督が「ああいう投球を見たらセコいことというか、そういうふうにならなかった」とした圧巻の内容だった。
三回こそ三振を奪えず、今季初登板からの連続イニング奪三振は25で止まったが、日本選手の最長記録に並んだ。3日の西武戦から打者52人を連続アウト。14年にペティット(ジャイアンツ)が記録した46の大リーグ記録も上回った。
首脳陣が優先したのは記録よりも〝未来〟だ。井口監督は開口一番、「本当に素晴らしい投球だった」と絶賛。降板を決断した理由を「われわれ、ファンの方も最後まで見たかったと思うが、先々を考えると八回までが限界だった。今日は100球弱と思っていた。七回が終わった時点で朗希が少しへばりつつあった」と説明した。球団として5年計画で育てる方針を貫いてきた。10日は105球で初完投しており、味方が得点しても八回で交代させる覚悟を固めていた。