(SMBC日本シリーズ2021、オリックス0-2ヤクルト、1勝1敗、21日、京セラ)昨季から指揮を執るヤクルト・高津監督、昨年8月21日から西村前監督の事実上の解任を受けて監督代行に就いたオリックス・中嶋監督。ともに指揮官としては、今季が就任2年目となる。
コロナ禍での〝制約〟で昨季レギュラーシーズンは「延長十回」制。今季はクライマックスシリーズ(CS)も含めて「九回」打ち切り。つまり、両監督ともこの日本シリーズで「延長十二回」制の下では初めてのタクトとなる。
采配面で特に難しくなるのが投手起用だ。延長に入れば、最大3イニングをまかなうブルペン陣が必要となる。先発投手が、より長いイニングを投げた方が有利にはなるが、その難しさが第2戦で如実に表れた。
好投を続けていたオリックス・宮城だったが、実戦登板は10月21日の西武戦以来、ちょうど1カ月ぶり。100球に近づいてきた七回から引っ掛け気味の直球が増え、変化球、特にスライダーが抜けるなど〝危険信号〟が点滅し始めていた。八回1死で初めての四球を与えると、高山投手コーチがマウンドに向かったが続投。2死後、塩見、青木に連打を浴びて均衡を破られた。
確かに0-0という〝特殊〟な展開もあり、打たれたのは結果論に過ぎない。ただ、宮城はプロ2年目で完投は1試合もなく、8回を投げ切ったのも7月4日の西武戦が最後。シーズン中であれば、九回から逆算して早めの継投、この試合でいえば少なくとも八回の頭から継投に入っても不思議ではない状況だった。
中嶋監督は第1戦で村上に2ランを浴びたセットアッパーのヒギンスを第2戦のベンチから外し、CSで2回をパーフェクト救援したバルガスを登録。短期決戦を意識した非情ともいえる決断を下していただけに、継投という選択肢はなかったか。
一方、レギュラーシーズン143試合で完投が3試合(小川2、石川1)しかなかったヤクルトも「八回・清水、九回・マクガフ」で固定してきた勝利の方程式を使わなかった。第1戦で清水が32球、マクガフが1死も取れずに3失点という大乱調があったにせよ、高橋の133球完封は延長十二回を想定した戦いの中での〝副産物〟といえるかもしれない。
思い起こせば、26年前の両軍の対戦も、ヤクルトの4勝1敗ながら、第2-4戦まで3試合連続の延長戦にもつれ込む熱戦だった。(編集委員)
■東山 貴実(ひがしやま・たかみ)1967(昭和42)年生まれ、54歳。京都市出身。早大卒。巨人、阪神、MLBなど野球記者歴20年以上。本紙運動部編集委員。
★シリーズ第2戦VTR ヤクルトの高橋が5安打で三塁を踏ませず投げきり、シリーズ初登板で完封勝利を挙げた。打線は八回に青木の適時打で先制し、九回に1点を加えた。オリックスは宮城が八回途中1失点と好投したが、打線が高橋の球を捉えきれなかった。