「ボヘミアン」などのヒット曲で知られる歌手、葛城ユキ(71)が卵巣がんの一種、原発性腹膜がんであることが26日、分かった。進行度は5段階でステージ4。肺への転移も見つかった。歌謡ユニットを組む歌手、平浩二(72)が5日にくも膜下出血で倒れたことを機に、人間ドックを受診して判明。この日は本人の希望で予定通り秋田公演で熱唱し、5月1日から入院する。葛城は動画を寄せ「ロック魂でステージに復帰します」と力強く約束した。
独特のハスキーボイスとパワフルなパフォーマンスで活躍する葛城が、まさかの病に侵された。
この日、ステージ4の原発性腹膜がんを患っていることを、葛城の公演を主催する夢グループが発表。原発性とは転移の元になった腫瘍をさす。
これまで大病はなかった葛城だが、5日に平浩二ら総勢20組によるユニットの山口公演を行っていた際、平がくも膜下出血で救急搬送。同世代の葛城も念のため約2週間前に人間ドックを受けたところ、肺がんを指摘され、約1週間前に精密検査。22日に原発性腹膜がんと肺への転移が判明した。
持ち前のハスキーボイスは酒とたばこで喉をつぶして完成させた逸話があるが、夢グループの石田重廣社長は「近年は長い間吸っていない」と説明。飲酒は好きで「ビールは今でも一晩で多いときは10本、昔は24本飲んだことがある」と明かし「健康に自信があったのか、健康診断は定期的に受けていなかった」と付け加えた。
これまで葛城に痛みなどの予兆はなかったといい、関係者は早期の入院治療を願うが、本人は「ロックンローラーとして病と闘う」との強い思いで公演の優先を決断。現状、体調に問題はなく、この日はユニットとして秋田・能代市と大館市公演で熱唱した。
葛城は大館市のステージから動画を寄せて、自らの口でもがんを公表。「自分も周りも大変驚いています」とショックを隠せない。
27日には、青森・五所川原市と三沢市のユニット公演に出演。5月1日から入院するが、「歌えるような治療をしてほしい」と希望している。肺の手術をするか決断を迫られる中、葛城は動画で右こぶしを突き上げ「私は歌うために生まれてきております。必ずステージに復帰します。どんなに苦しくても耐えます。同じ境遇のみなさんも頑張りましょう。ロック魂で」と決意表明。
石田社長によると、葛城は「今日と明日が最後のステージかもしれない」と悲壮な決意を明かしたという。青森公演では本人の希望で、闘病への決意と定期検査の大切さを訴える予定だ。
★腹膜がん
腹膜は胃や腸などの臓器とおなかの壁の内側を覆う薄い膜。腫瘍の性質は卵巣がんに類似する。初期は無症状が多く、進行すると腹部の膨満感、腹痛、腰痛、不正出血、排便の異常などを自覚する。1年に約400人が発症しているというデータもあり、希少がんに分類。現状、明確な発症メカニズムは解明されていない。一般的にがんの発症は喫煙、飲酒、食生活、運動不足などが要因とされる。