西武は8日、ロッテ2回戦(ZOZOマリン)に3-0で勝利。連敗を3で止め、勝率を5割に戻した。先発した今井達也投手(22)が、ホーム7連勝中と勢いに乗る相手打線を7回2安打無失点に封じ、今季初勝利。夏の選抜大会の組み合わせも決まった日、かつて作新学院高(栃木)のエースとして日本一に輝いた右腕が、強風を利用するクレバーな投球で若きエース候補としての実力を示した。
強風が吹く荒天の中、マウンドで躍動した。今井はホーム7連勝中のロッテ打線を7回2安打無失点に抑える圧巻の投球を見せ、今季初勝利にホッと息をついた。
「早く1勝が欲しいと思っていた。四球を出しながらも0(点)に抑えることができてよかった」
序盤から140キロ台後半の直球が効いた。今季の過去2試合でつかまっている六回に3四死球で1死満塁のピンチを招いたが、井上に149キロの外角直球を打たせて遊ゴロ併殺打。七回も安打と死球で1死一、二塁とされながら真っすぐで藤岡を空振り三振、荻野を中飛に仕留めた。
7回98球。風を味方につけた快投だった。強風が名物のZOZOマリンスタジアムだが、この日は前日に続いて特に風が強く、最大風速15メートルを計測した。そこで貫いたのが「とにかく、ベースの上に強い真っすぐを」との意識。強風で元々シュート回転気味の直球が、より手元で変化することに気付き多用。ロッテ打線の的を絞らせなかった。
新型コロナウイルスの影響で中止になった選抜の代替大会である「甲子園交流試合」の組み合わせ抽選が行われたこの日、2016年夏の甲子園で作新学院(栃木)を優勝に導いた右腕の快投でチームの連敗も「3」でストップした。思い出の夏から4年。開幕から波に乗れず2戦2敗で上がった先発マウンドで、その潜在能力の高さを鮮やかに証明した。
チームは連敗を3で止め、勝率を5割に戻した。近い未来のエース格として期待する22歳が見せた冷静で大胆な投球に、辻監督も「やっと一番待っていた今井に勝ちがついた。こんなに難しい風の中で、よく投げた」と目を細めた。
「1年間ローテーションを守ることから、同時に勝てるようにしていきたい」と今井。夏の気配とともに、甲子園V腕が、さらにギアを上げる。(樋口航)
★風采配ズバリ
強風を利用したのは今井だけではなかった?! 辻監督がZOZOマリンスタジアムならではの采配を見せた。3点リードの八回に勝利の方程式に入っているギャレットではなく平良を2番手で起用。「ギャレットは(ZOZOマリンの)風の強さをまだ経験してないのでね。平良なら大丈夫と思って」と意図を明かした。狙いは見事に的中。平良、増田と防御率0点コンビの継投で勝利をつかんだ。
★今井と甲子園
作新学院高(栃木)で、2016年の3年夏にエースとして甲子園に出場。全5試合に先発し、初戦で完封すると準々決勝まで3戦連続完投勝利。決勝も9回1失点の完投勝利で飾り、北海(南北海道)を7-1で下し、同校を54年ぶり2度目の優勝に導いた。