八回終了時に投手交代を告げる矢野監督(左)。鳥谷はネクストバッターズサークルからベンチに戻り、結局出番はなかった(撮影・松永渉平) (セ・リーグ、阪神1-4巨人、20回戦、巨人14勝6敗、30日、甲子園)阪神は1-4で敗れ、巨人戦5連敗となった。試合後、矢野燿大監督(50)は球団から引退勧告を受けた鳥谷敬内野手(38)について「感謝」を口にした。一方で「個人だけのためにはやらない」と今後も特別扱いしないことを明言。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出を目指し、采配を振っていく。
現時点で、指揮官として言えることは、ほぼない。それでも矢野監督は鳥谷に「感謝」という言葉を使った。誰にも負けない実績を持ちながら、矢野虎を築こうというときに、真っ先に「挑戦」を宣言してくれた男でもあった。宿敵に敗れた試合後、鳥谷について必死で言葉を紡いだ。
「俺も監督という立場で言うとそういうところはすごく、感謝というか、ある意味やっぱりすごいというかね」
他の誰も鳥谷と同じ経験をすることはできない。他の誰にも到達できぬところまで登り詰めたはずなのに、鳥谷は当たり前に、やるべきことをやり続けた。選手としてもともに戦い歓喜を味わった仲でありながら、矢野監督はそんな鳥谷と戦えたことを、率直に「感謝」した。