俺も負けん! 阪神・鳥谷敬内野手(37)は日本ハム戦に「6番・遊撃」で先発出場し、七回に一時勝ち越しの中前適時打。ドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が開幕スタメンに向けてアピールを続けるなか、遊撃争いに待ったをかけた。
やはり役者が違う。平然と真打ちをやってのけた。2-2の七回1死一塁。マルテの激走を呼び込んだのは鳥谷だった。
「詰まっていたんですが、いいところに飛んでくれました。一日一善、頑張ります」
今年初の甲子園で遊撃として刻まれた。右腕・石川直と対峙した第3打席。内角直球に腕をたたんで中前に押っつけた。オープン戦で2つ目に灯したHランプは貴重な追加点。二回に早大の後輩である斎藤相手に空振り三振を喫し、四回もバーベイド(前タイガース)に三振していただけに矢野監督は「しっかり決めるのはさすがという部分」と最敬礼した。そして、その後、鳥谷の気分の高揚ぶりは積極的? な走塁となって表れた。
次打者の木浪の右翼線への右飛に対し、鳥谷はハーフウエーで構えるわけでもなく、まるで2死かのようにザクザク走った。ポカーンとする周囲の中、当然ながら、球は一塁に送られて、走塁死。鳥谷は「僕の判断ミスです」と猛省したが、首脳陣は、この姿勢を高評価した。
指揮官は「いくぞ、いくぞという気持ちがすごく出ていた。勝負している。今後もそういう姿勢って大事」とおとがめなしとすれば、藤本内野守備走塁コーチはアウトカウントの勘違いであることを完全否定。「西日もいろいろ入って。シーズンに入れば、太陽の位置も変わる。この失敗をプラスに変えられるように」と前向きだった。
矢野監督の下、遊撃に再挑戦。春季キャンプ打ち上げの際にはライバル・北條がMVPに指名された。5年契約最終年。引退覚悟で臨むだけに、この3月での踏ん張りが、野球人生を左右することはわかっているはず。この日は売り出し中の木浪が三回に右二塁打。黙っているわけにはいかなかった。
「修正するところと、そのままでいいところを把握しながらですね」
まだ終わらない。百戦錬磨の背番号「1」が、遊撃争いを面白くする。 (阿部祐亮)