第89回都市対抗野球第2次予選東北大会3日目(3日、花巻ほか)4試合を行い、TDK(にかほ市)がオールいわきクラブ(いわき市)に20-1(七回コールド)で圧勝。4日の2回戦へ進んだ。仙台育英高(宮城)出身の長谷川拓帆投手(19)が公式戦初先発、5回無失点、7奪三振と好投した。きらやか銀行(山形市)は弘前アレッズ(弘前市)を12-1(八回コールド)で破った。4日は、準決勝2試合と敗者復活2回戦2試合が行われる。
チームの予選敗退危機を新人左腕が救った。長谷川が五回1安打無失点と、100点満点の投球で公式戦初先発を飾った。
「(前日敗れ)もう負けられない中、勢いを持ってきたかったので、力で押していった。気合を入れて投げた」
負ければ即敗退の敗者復活初戦。阿部博明監督(39)はこれまで公式戦で救援2試合、計5イニングのみ登板の長谷川を「大舞台に強い。いい投球をすればチームも乗ってくるし(今後へ)勢いを託そうと思った」と先発に起用した。
初先発に「楽しみだった」と長谷川。140キロ前後の力強い直球を軸に、時折雄たけびをあげての力投で相手をねじ伏せた。阿部監督も「低めを丁寧に突き、大事な試合でゲームを作ってくれた」と目尻を下げた。
仙台育英高時代の昨秋はドラフトで指名漏れ。「3年後のドラフト1位」を目指し地元秋田のTDKへ進んだ。取り組んでいるのは投手と打者の二刀流だ。
投打に非凡な才能を持つ新人は、入社直後に阿部監督らに提案され、挑戦を決意。投手練習をメインに、野手と同じ打撃練習をこなす。この日は野手としての出番はなかったが、練習試合などでは主に代打で出場している。
元祖二刀流の米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平を引き合いに出されると「全然結果は出ていないし、比べものにならない」と苦笑するが、阿部監督は「(大成する)可能性はふくらんでいる。そうなれば今までにないこと」と期待する。
チームは5年ぶりの本戦出場へ勝ち続けるのみ。長谷川も「きょうのような投球でチームに勢いをつけたい。勝利に貢献したい」と意欲。名門復活へ、若き才能が勝利を招く。 (井上幸治)