仙台六大学野球第1週第2日(8日、東北福祉大)昨秋6位の宮城教大が、連覇を狙う仙台大に4-3で逆転勝ちし、2008年秋以来19季ぶりの白星を挙げた。九回に5番の大和田侑杜一塁手(4年)=宮城・東北学院高=が、値千金の逆転3ラン。これで1勝1敗とし、9日の第3戦で1989年春以来、実に58季ぶりの勝ち点奪取を目指す。東北学院大は東北大に11-2(七回コールド)で連勝、勝ち点1を獲得した。
昨秋最下位の宮城教大が、王者仙台大を撃破する大番狂わせ。3番手の高橋愛喜投手(2年)が最後の打者を仕留めると、福祉大球場に大歓声が沸き起こった。
「この冬は『私立に勝とう』『仙台大を倒したい』と全員でやってきた。目標の一歩を踏み出せてうれしい」
逆転弾で主役に躍り出た大和田が胸を張った。2点を追う九回一死一、二塁。仙台大のエース左腕、大関がカウント2-2から投じた内角低めの直球を捕らえ、左翼ポール際の芝生席へ運んだ。
4年生でようやく放った公式戦初アーチが、歴史的勝利を呼び込んだ。冬に1日500本超の素振りを続けた成果を、高橋顕法監督(43)は「やっと出たね」とたたえた。
愛する相棒が劇弾を生んだ。2打席目で普段使いのバットが折れ、3打席目から「格好よくて、練習でもあまり使えなかった」(大和田)という、とっておきの黒バットを手にした。
昨年9月に通信販売で購入した、約2万円のルイビルスラッガーのバット。高橋監督から「こだわりのバットが折れてもいいくらいフルスイングしろ!」と打席へ送り出された。最高の結果に「あしたも使ってチームのために打てれば。きれいに磨いて一緒に寝ます」と大和田は優しく相棒をさすった。
その第3戦で勝てば、仙台大からは1989年春以来の勝ち点だ。大一番に高橋監督やコーチが業務で不在というのが国立校らしいが、大和田は「上位から勝ち点を取るためにやってきたことを信じてやるだけ」と意気込む。小学校の教諭を目指しており、今季限りで引退する可能性もある。悔いを残さないためにも、王者から勝ち点を奪い取る。 (井上幸治)
「自分の1勝はうれしいが、チームで取れた勝利。大和田さんがいいところで打ってくれました」