バットを置いた。目をつむれば、浮かんでくるのはタテジマを着て、カクテル光線を浴びた日々…。あの大歓声。素晴らしい甲子園球場。猛虎の歴史に残る名助っ人マートンがユニホームを脱ぐ決断をした。
「阪神での6年間は本当に素晴らしい時間だった。現役のことを思い出すとき、いつも真っ先に蘇ってくるのは、阪神でプレーしているときのことだ」
阪神を2015年に退団し、16年はカブスとマイナー契約を結び、3Aで76試合、打率・314をマークしたが、メジャーには昇格できず…。昨季はタイガースとマイナー契約も、4月にリリースされた。メジャーの壁の高さを感じた。
「体はまだ動くし、闘志もあるが、総合的に考えて次に進むとき。カブスの編成アシスタントの仕事を受けることにした。(現役の)機会は、もうないようだ」
自問自答を繰り返す中、ここが引き際だと決断。古巣カブスの競技運営部門補佐に就任することになった。
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