1年前は元気だった豪快なスター俳優が、ひっそりと息を引き取っていた。
松方さんは昨年2月8日に歌の公演に出演した際、頭痛などを訴えて入院し、エックス線検査で脳腫瘍の疑いが判明。公演を降板して主演舞台も中止となり、3月2日に所属事務所から脳リンパ腫と発表された。患部が脳幹近くで手術ができず、放射線と抗がん剤治療を受け続けた。
一時は患部も消えかけたが、3度目の脳梗塞を併発した昨秋、抗がん剤が使えなくなり、再び脳リンパ腫が拡大。昨年末から点滴で栄養を補給していたが、意識は混濁し、釣り仲間の俳優、梅宮辰夫(78)が12月中旬、見舞いに訪れたときはほとんど会話ができなかったという。
今月12日には高度な治療を受けるため転院予定だったが、容体が悪く周囲は断念。しかし、内縁の妻で元女優、山本万里子さん(44)が中心となり、懸命な看病をしてきた。23日夜に会見した実弟の俳優、目黒祐樹(69)は「パートナーの女性(万里子さん)と事務所スタッフらの3人が看取ったようです」と明かした。23日に近親者のみの密葬が東京・町屋斎場で営まれた後、松方さんの死が公になり、後日お別れの会が開かれることも発表された。
松方さんは1942年、俳優の近衛十四郎と女優、水川八重子の長男として生まれた。高校時代の60年に映画「十七才の逆襲 暴力をぶっ潰せ」で主演デビュー。73年の深作欣二監督「仁義なき戦い」に始まるやくざ路線では、あくの強い暴力団幹部を熱演した。