夕暮れの安芸で、超攻撃的オーダーを思い描いた。恋人をどの打順に置くか。糸井からの返答はまだ届いていないが、起用法はすでに考え始めている。金本監督が温める構想は、2番だった。
「1番はもったいなくない? 2桁本塁打を打つんだから。もったいない気がするけどね。バントさせる、バント重視の2番じゃなくね。攻める2番が理想だね。ゲッツーのない」
1番でも3番でもない。打てる。足も使える。パンチ力もある。「非の打ち所がない」と高く評価する男に打線のキーマンを任せる。
「2番バッターにノーアウト一塁や一、二塁でまわってくる確率は10%くらいだからね。その10%のためにバント、バントっていう2番を置くのもね。残り9割どうするのって。打たなきゃいけないでしょ」
能力の高さは誰もが知るところ。打率・306に17本塁打。そして35歳にして53盗塁し、盗塁王を獲得した足がある。走者一塁で併殺になる心配が少ないうえに、一発長打で一気に得点を生むことも可能。今季リーグ5位だった506得点からの大幅増を「2番・糸井」が可能にするというわけだ。
今のトレンドにもピタリと当てはまる。2番に強打者を置くスタイルの最たる例が、今年108年ぶりにワールドシリーズを制したカブスだ。2番を務めるクリス・ブライアント内野手(24)は、今季39本塁打、102打点をマーク。リーグ1位の121得点も記録し、世界一への原動力になった。カブス流の戦い方が理想だ。