巨人からプロ初勝利をあげた小笠原はウイニングボールをかじるポーズ。ドアラ(右)も大喜び? (セ・リーグ、巨人3-5中日、20回戦、中日12勝7敗1分、4日、東京D)ベンチで誰よりも拳を強く握った。中日のD1位・小笠原が7回6安打3失点。登板12試合目、先発9試合目でプロ初勝利を挙げた。
「野手の人に助けてもらって、(ベンチでは)声を出すしかできなかったですけど、本当にうれしかったです」
三回には坂本、阿部、村田を3者連続見逃し三振。自己最多の10奪三振で七回を終えると、代打を出された八回に打線が逆転した。昨夏の甲子園を制した強心臓ルーキーも、巨人戦初登板にプレッシャーを感じたという。
「初登板でも感じなかったんですけど、チームは5連勝。負けたらどうしよう…」。少年時代はノミの心臓として家族を困らせていた。
「昔はすぐおなかが痛くなったんです」。東京ドームで観戦した母・美智子さん(42)が笑う。小学生の頃、登板日が近づく週末にはトイレに籠城。「母さん、監督に『行けない』って言ってよ」。当時はプレッシャーから逃げていた。何度か取り次いだ美智子さんだが、ある時「自分で言いなさい!!」と堪忍袋の緒が切れた。逃げ道を断たれたことで成長した。
ドラフト制以降に入団した高卒新人が巨人戦初登板で勝利したのは球団では1987年の近藤真一(ノーヒットノーラン)以来29年ぶり2人目。最下位脱出も見えてきた。(長谷川稔)
◎…高卒新人の中日・小笠原が初登板から12試合目で初勝利。高卒新人投手の勝利は昨年の西武・高橋光成(5勝)、楽天・安楽智大(1勝)以来だが、中日では1989年の今中慎二(1勝)以来27年ぶり
◎…ドラフト制(66年)以降に入団した高卒新人が巨人戦初登板で勝利したのは2013年の阪神・藤浪晋太郎以来、3年ぶり11人目。中日では87年の近藤真一以来29年ぶり2人目