(セ・パ交流戦、DeNA3-6楽天、2回戦、楽天2勝、18日、横浜)待望のプロ第1号だ! 楽天は18日、DeNA2回戦(横浜)に6-3で勝ち、2連勝で2年連続の交流戦勝ち越しを決めた。1-0の三回、ドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18)=関東第一高=が左中間席中段に飛び込む推定125メートルの1号ソロを放ち、高卒新人としては球団史上初となる1年目の本塁打を記録した。オコエが安打した試合は7勝3敗。飛躍的な成長を遂げる18歳が、パ・リーグ5位と苦しむチームに勢いをもたらす。
持ち前の俊足を飛ばす必要はない。オコエが放物線を見つめながら、悠然と走り出した。プロ初アーチは、打った瞬間にスタンドインを確信する特大の一発だった。
「強い打球を飛ばすことを心がけていた。本当にうれしいです」
敵地ハマスタの2万8942観衆がどよめく中、三塁ベンチでは飛び跳ねながらハイタッチ。無邪気に喜びを表し、満面の笑みを浮かべた。
1-0の三回。相手は試合の前までリーグ2位の防御率2・10を誇り、5連勝中だったD1位・今永(駒大)。一回の第1打席は3球全て速球で右飛に倒れていた。「直球に絞っていた」という読みで138キロの初球を左中間席中段へ運び、ドラ1対決を制した。新人の本塁打は今季5人目。高卒では1番乗りのアーチとなった。
人気先行-。そんな評価を覆す上昇ぶりだ。楽天では史上初となる高卒野手の開幕1軍を果たしたが、4月14日に出場選手登録を外れた。2軍では下半身を中心に鍛え、米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手(42)が取り組む初動負荷理論に基づいたトレーニングを導入した。
構えのグリップの位置を下げるなど、打撃フォームも試行錯誤した。結果、スイングスピードは2月の128キロから156キロと飛躍的にアップ。5月29日に1軍に再昇格してからは「速球をしっかりとらえられることが多くなった」という。
特に成長を実感するのはファウルの質の変化だ。速球に差し込まれて一塁線を切る打球が多かったが、打ち損じてもボールの上下をたたいた後方への打球が増えた。16日の試合前には、巨人・坂本に助言を求める場面も。貪欲で積極的な性格も進化を後押しする。
球場では「オコエ!!」と声援を送られる。応援はうれしいが「『オコエ』(と呼ばれるの)は遠く感じます」と笑う。「周囲の親しい人は『ルイ』と呼んでくれます」。さらなる活躍で、より親しまれる存在になるつもりでいる。
「まだまだできない部分も多い。これからも結果が残せるように頑張ります!!」。初々しい笑顔もつかの間、スター候補は視線を未来へ向けた。(峯岸弘行)
「そろそろ、出てもいいと感じていた。いい本塁打でしたね」
★初出場(3月25日) 球団の高卒新人野手では初めて開幕1軍入り。ソフトバンクとの開幕戦では七回に代走でプロデビュー
★初盗塁(同26日) ソフトバンク戦の十回にプロ初打席。四球で出塁し初盗塁をマーク
★初先発(4月3日) 西武戦に「2番・中堅」でプロ初先発したが3打数無安打
★2軍降格(同14日) チーム事情で野手枠に余裕がなくなったため登録抹消
★再び1軍へ(5月29日) アマダーの負傷で1軍に緊急昇格
★初安打(同31日) 阪神戦に「9番・中堅」で先発。七回にプロ初安打をマークするなど4打数2安打の活躍
★初打点初長打(6月1日) 阪神戦の四回、右中間に適時二塁打
★初三塁打(同7日) ヤクルト戦の二回に2者をかえすプロ初の三塁打。初のお立ち台で「何も言えねぇ! です!!」
★初猛打賞(同11日) 広島戦で初めて1試合3安打の猛打賞
〔1〕楽天・オコエがプロ初本塁打。高卒新人の本塁打は昨年の巨人・岡本和真(9月5日のDeNA戦、3試合目3打席目)以来で楽天では初めて。交流戦での高卒新人の本塁打は2012年の中日・高橋周平(6月17日のオリックス戦=プロ初本塁打、16試合目32打席目)以来で2人目。
〔2〕オコエは出場28試合目72打席目で初本塁打。最近の高卒新人では10年の横浜・筒香嘉智が3試合目10打席目、13年の日本ハム・大谷翔平が34試合目92打席目。1993年の巨人・松井秀喜は2試合目7打席目だった。
〔3〕高卒に限らない楽天の新人のシーズン最多本塁打は、07年の嶋基宏らの2本。