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【球界ここだけの話(574)】尊重し合う応援マナーがあるMLBの球場…見る側にもモラルが必要

コボスタ宮城のスタンドのファンの様子

 「ひどすぎる…あそこまでやることはないのに…」 

 優しいといわれる楽天ファンが思わず口にしていた。6月2日の楽天対阪神戦(コボスタ宮城)の試合前の出来事だ。気分が悪くなった光景は、球場周辺の広場で目撃した。

 十代前半とみられる阪神のユニホームとグッズで身を固めた少年が、巨人のマスコット、ジャビット人形の首に黄色と黒色の工事用ロープをかけ、引きずりながら歩き回っていた。ジャビット人形は汚れてボロボロになっていた。

 先に断っておくが、巨人が好きでも阪神が嫌いでもなく、12球団フラットな目でみている。いずれにせよ、両球団ともに伝統と歴史があり日本球界を牽引(けんいん)してきた名門球団だと思ってきた。

 楽天の星野仙一副会長が、監督時代に「厳しいやじが選手を育てるし、チームも強くする」と強調していたことがあった。ごもっともなご意見だと感じた。しかし、やじと誹謗(ひぼう)中傷する言葉は紙一重で、ミスを犯した選手に「死ねこの野郎!」などとは、立派な暴力になるだろう。

 話を戻すと、この少年の行動には怒りもこみ上げてきた。大人ではないといえ、巨人に対してリスペクトのかけらもなく、侮辱しているように見て取れた。来場していた多くの阪神ファンが後ろ盾となり、集団心理から生まれたのか。ここは東京ドームと甲子園ではなく仙台なのに…。いろいろ考えたが、2週間が経過したいまでも腑に落ちない。

 メジャーリーグの球場では、両チームの応援席が国内のように別れていない。つまり、ライバル関係にあるヤンキースファンの真横にレッドソックスファンがいるわけだ。しかし、お互い尊重し合い、好プレーに拍手を送り、暗黙の応援マナーが存在している。もし、プロ野球ならば…。おそらく、小競り合いが起こるだろう。

 プロならではのスーパープレーもあれば、ときとして選手は失敗することもある。各球団は強いチームを編成しようと努力を続けている。もちろん、プロ野球はファンなしでは成り立たないが、見る側にはモラルが求められるのではないか。他球団とそのファンに対して、侮辱や挑発する言動は慎むべきだと改めて強く感じた。(楽天担当・広岡浩二)

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