マツダオールスターゲーム第1戦(全セ8-6全パ、全セ1勝、17日、東京ドーム)もう少しでの逆転弾に大観衆は息をのんだ。最大の見せ場は3-4の五回無死二塁。全セの鳥谷(阪神)の打球はスタンドに向け、一直線に伸びた。しかし、フェンス手前で失速。右翼手のグラブに収まり、苦笑いを浮かべた。ベンチに帰ると、ロペス(DeNA)に力こぶを作るポーズでいじられた。
「力不足です…」
とはいえ、そんな派手さはなくとも、らしさ全開。「2番・遊撃」で先発し、2年連続のタイムリー&マルチ安打で逆転勝利に貢献した。
「オールスターなんでどんどん、積極的に打っていこうと思っていました。安打と打点を挙げられたので、よかった」
まずは、3点を追う三回無死一、二塁で2番手・西(オリックス)の外角直球を流し打って、遊撃内野安打。これで球宴3戦連続「H」マークを灯し、2点リードとなった六回二死一、二塁の好機では3番手・涌井(ロッテ)の137キロ真っすぐを右前に弾き返す適時打を放った。
1打席目は昨年の球宴で、160キロ撃ち(左前打)に成功した大谷(日本ハム)に154キロで一ゴロに封じられたが「球も速いですし、対戦できてよかった」。対決を熱望した右腕との再戦が実現したことで、表情はすがすがしかった。
試合前練習でも、夢舞台ならではの交流を満喫した。とりわけ、昨季まで同僚だった新井(広島)と旧交を温めた。キャッチボールのパートナーを務めた後、遊撃で一緒にノックも受けた。さらに、先輩のティー打撃の際にボールをトスする役目を買って出た。
「阪神のときからやっていますよ」
本人はニヤリと笑った。新井も「日頃あまり話せないので楽しい」と満足そうだった。
「こんな(全セの)チームでシーズンができたらなと思いますね。優勝できるでしょう」
そう言い残した虎のキャプテンにとって、真夏の祭典は4年連続6度目。球界の遊撃手として、不動の地位を築いた男も、この日ばかりは野球少年のような笑みがあふれていた。 (小松真也)