■4月21日
韓国の客船沈没事故では次々に驚きの事実が明らかになっている。「一般市民」と名乗って救助船に乗り、病院で海水にぬれた紙幣を並べ乾かしたとされる見下げ果てた船長。ほぼ全速力で方向転換し、船体のバランスを失わせたとみられる3等女性航海士の謎めいた操船。日本では考えられないことばかりだ。
20日には沈没した船内に入る5つのルートが確保され遺体発見が相次いだ。多くは修学旅行中の高校生。日本でも1988年、中国・上海で高知学芸高の修学旅行生が列車衝突に巻き込まれ生徒27人が死亡する事故があった。次代を担う若者が見聞を広めるための旅行で命を落とすのは、あまりにも悲しい。
今回事故に遭った生徒たちも、やがていろんな分野で韓国の次代を担ったことだろう。日本同様、韓国も少子化問題を抱えており出生率は世界最少水準といわれる。これだけの若い命がいっぺんに失われていくのは韓国にとって大きな損失だが、ひいては世界にとっての損失でもあるのだ。
それでも韓国は事故を自分だけで処理しようとしている。日本政府は発生直後に救助支援を伝えたが、要請はない。いままで散々日本の悪口を言った手前「ではお願いします」とは言いにくいのか。難航する救助のニュースを見て、海難救助で世界トップレベルにある海上保安庁の海猿がいち早く駆けつけていたら…と思った人も多かったろう。
現場では「日本の支援を断ったらしい」との情報が家族らの間で流れ「なぜ」と失望の声が上がったという。乗客より先に乗員が逃げ出すずさんさに加え、感情が先走った感じの政府の判断も責められる。人命に国境はないはず、と改めて感じる。 (今村忠)