大型連載の第14回は、2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ金メダリストで、20年の東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏(42)。20連覇した日本選手権の初制覇は、1995年で中京大3年時の二十歳のとき。海外での武者修行の経験や競技の第一人者である父・重信氏(71)の日本記録を塗り替えるまでの父子の歩みなど、求道者が世界に進み始めた二十歳のころを振り返る。
とにかく限界に挑戦していたね。二十歳のころは。厳しい道をあえて通ったよ。海外での武者修行もそのひとつ。当時、影響を受けた人物を挙げるなら、1992年バルセロナ五輪ハンマー投げ金メダリストのアンドレイ・アブドゥバリエフ(旧ソ連生まれ、国籍はタジキスタンからウズベキスタンに変更)になる。
出会いは93年。19歳で出場したマニラでのアジア選手権だった。どうしても8歳上の世界チャンピオンに技術を教えてもらいたくて、学んでいた英語を使い、頭を下げて直談判したんだ。すると意外にも二つ返事で「喜んで教えてやる」とね。猛特訓が始まったよ。