絶対に負けられない試合だからこそ、藤浪に託す。矜恃を傷つけられ、ほぞをかみ、自分を見つめ直した底力にかけてみる。勝つだけが目的じゃない。藤浪がどういう道を歩んでいくのか、が決まる。金本監督は、まるで右腕に言い聞かせるように語気を強めた。
「そういう場でどういう姿をみせるのか、というのは、やっぱり、今後、彼の人生を左右するといえばオーバーかもしれないけど、僕はそれぐらいの目でみたいと思う」
5月27日に抹消したが、苦渋の選択だった。就任当初から投手陣の中心として20勝を期待したが、昨季7勝11敗。今季は3勝3敗、防御率2・66。制球難で右打者への死球で崩れる悪循環に陥った。本来なら投げさせながら、調整させたかった。しかし、チームの士気に関わりかねないほどの不振に、屈辱ともいえる2軍での無期限の再調整を命じた。