「君の名は。」-。
社会現象にもなったアニメ映画のタイトルにふと、思った。プロアスリートには名前で世間に浸透している選手が多い(こじつけですいません…)。その方が親しみやすい分、より認識され、人気につながっている気がする。それは、スポーツ新聞の見出しに顕著に反映される。
最たる例が阪神・藤川球児投手(36)。生まれる前日に父親が草野球でノーヒットノーランを達成した縁から球児と名付けられたが、これ以上、競技にマッチする一流プレーヤーはそういない。
紙面の見出しは必ず「藤川」ではなく「球児」。先輩、後輩問わず、名前で呼び、ファンからも「球児〜!」と愛される。当人は「自分の名前は甲子園球場からもらったようなもの」と誇りに感じている。
記者が担当するオリックスにも、そんな素質十分な推しメンがいる。プロ5年目の伏見寅威(とらい)捕手(26)。名前の由来は父が花園出場経験を持つラガーマンだったことから「トライ(挑戦の意味も含め)」にちなんで命名されたという。見た目にも格好いい文字で、新聞に映えること間違いなし、だ。
寅威本人も「気に入っています。覚えてもらいやすいですし」と笑う。ただ、グラウンド外に強力なライバルが存在する。
「CMでよく見る『家庭教師のトライさん』がやっかいなんです。ファンの方から下の名前でさん付けされると、ドキッとする。いじられているのかなって(笑)。いまはまだ、年齢的にもファンの方に寅威さんって呼ばれること自体があまりないので」
東海大時代には1学年上の菅野(巨人)とバッテリーを組んで活躍。福良監督も認める強打が売りの有望株だ。認知度十分のトライさんに寅威が肩を並べるときはいつになるのか…。紙面に君の名が躍る日を楽しみにしている。(小松真也)