ある日の試合前。ベンチに向かう選手の列から「ナニシトンジャ、ナニシトンジャ、ナニシトンジャ」と声が聞こえてきた。広島のブラッド・エルドレッド内野手(35)が、前の選手のかばんを足で小突きながら口にしていたのだ。
来日5年目となる大砲の日本語能力は日々、向上している。ヒーローインタビューでのリスニングはほぼ完璧。チームの通訳を介さずに質問の意味を理解している。スピーキングこそ通訳の力を借りるが、日常生活での日本語会話に不自由はないようだ。
試合のない日には、家族で自転車に乗って広島市内を散策する。長女のエイブリーちゃんは、今春から広島市内の小学校に通いはじめた。シンシア夫人に娘3人を含めた家族は、すっかり日本での生活になじんでいる。
慢性的な足裏痛があって、コンディションには不安を抱えているものの、7日時点でリーグトップの打率・383、12本塁打と好調を維持している。グラウンドだけではなく、私生活も含めて日本に順応していることが、潜在能力をフルに発揮できている要因なのだろう。(玉木充)