八回、投手交代を告げベンチに戻るヤクルト・池山隆寛監督(撮影・林俊志) (セ・リーグ、阪神3-0ヤクルト、12回戦、阪神7勝5敗、12日、甲子園)今のヤクルトに最も必要なものは「協力」。選手の力が足りないわけではない。負けが込み悪循環に陥っているだけだ。
まず投手。打たれまいと慎重になりすぎ、思い切りの良さを失っていた。その点、この日の吉村はどんどんストライクゾーンに投げ込み、六回までは71球で1安打1四球。援護さえあれば…と思わせた。
では、打線。10安打を放ち、6度も得点圏に走者を置きながら無得点。打者には自分で決めようとのリキみが感じられる。そういうときこそ「協力」が大切になる。
協力とは、ただ声を掛け合ったり、手を差し伸べたりすることではない。冷静になって周囲を見渡し、自分は何をすべきか、ベンチの人間も含めて全員で考え、実行する。つなぐ場面では確実につなぐ。もちろんヒットが求められるときはどん欲にヒットを狙う。
守っては、アウトにできるプレーを着実にこなす。それぞれが役割を全うすることだ。
野球は1人では勝てない。「個」の力ではなく「協力」。それを思い起こせば、チームは再び1つになれる。燕という鳥は、むしろ向かい風を受けてこそ、大空へ舞い上がれるのだから。(サンケイスポーツ専属評論家)