広島から3位で指名された近大・勝田成(左)。右は楽天から7位で指名された阪上翔也 163センチの小さな体に秘めた野望は限りなく大きい。広島から23日のドラフト会議で3位指名された勝田成(かつだ・なる)内野手(22)。27日には新井貴浩監督(48)が自ら近大に出向いて指名あいさつするなど期待の大きさを感じさせた。
NPB所属選手では西武・滝沢の164センチを1センチ下回る最小兵選手となる。2023年の大学日本代表合宿では侍ジャパンの井端監督が「注目しているのは勝田選手。野球をよく知っているし、状況判断に狂いがない。こういう選手がいると助かるなあ、というタイプですね」と注目株に挙げていたが、その直後に行われたU-23代表との練習試合では2安打1打点にファインプレーも繰り出し、井端監督は「俺のとっておきだって言っただろ?」と笑顔で活躍を喜んでいた。
驚かされるのはその記憶力の良さだ。二塁手として先発した前出の練習試合でのファインプレーは、二遊間の痛烈なゴロに飛びついて処理したもの。打者は近大と同じ関西学生リーグ出身だったため、「対戦したころの打球傾向を思い出して、あらかじめ一歩だけ寄っていました」とさらり。この半年後に取材で会った際にも「お久しぶりです! お元気ですか?」とたった一度会っただけの東京の記者を覚えていてくれた。
小さいころからプロ野球選手を夢見てきたが、「その体じゃ、無理だよ」と否定的な言葉を浴びせられてきた勝田。養われてきた反骨心は筋金入り。
「身長を言い訳にしない。小さくてもできることを証明したい。この身長でも大学ジャパンに入れるんです。必ずプロに行って、身長の低い子にも希望があると伝えたい。夢を与えたいんですよ」と大志を語っていた。
近大での4年8季でベストナイン6回。確かな実績を積み上げてプロの世界に歩みを進めた。広島は主に守ってきた二塁には憧れの菊池がいる。学べることは多いはずだ。まだ目標へのスタートラインに立っただけ。勝田の大冒険は、ここからが本当の始まりだ。(片岡将)