今季の巨人・岡本和真はチームを離脱中も圧倒的な〝存在感〟を示した 巨人の4番、岡本和真内野手(29)が今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することを表明した。2018年から6年連続で30発以上をマークするなど、本塁打王3度、打点王2度に輝いた実績はもちろん、その存在がチームに与えた影響は大きかった。
今季は5月に左肘靱帯(じんたい)損傷。長期離脱は戦力的には大きな痛手となったが、約3カ月におよんだリハビリ期間でも主砲はしっかりとチームに貢献していた。ある日の川崎市・ジャイアンツ球場。制限のある中で体を動かしていた岡本は、ふとブルペンへと足を運んだ。投球練習を行っていた4年目左腕、代木の打席に立ち、球筋を確認した後に言葉を交わした。
代木は言う。「真っすぐの強さは1軍レベル。あとは変化球の精度とか、現状の課題について一般論ではなく、打者目線で主観的な意見をいただきました。いつもと違う視点からの話だったので、非常に貴重な時間になりました」。通常なかなか得ることはできないトップレベルの打者からの助言は、トミー・ジョン手術から1軍復帰を目指す左腕にとって何よりの道しるべとなった。
10月22日、今オフにポスティングシステムで米大リーグに挑戦することを表明した岡本和真高卒1年目の大型右腕、石田充はリハビリ期間が一緒だった岡本と行動をともにした。打者にとって嫌な投手を聞くと「とにかく球が強い投手が打者は打ちにくいと。例えば才木投手、バウアー投手など。いずれ(石田)充冴もそうなれるよって言っていただいた」と感謝する。前向きな言葉でルーキーの背中を押し、最初に腹圧を入れるトレーニング方法など具体的な助言も授けた。最後には偶然サイズが同じだったからと、ランニングシューズを2足プレゼントしたという。
今では球界を代表するリリーバーとなった大勢は、プロ1年目のときに岡本によく食事に連れて行ってもらったという。先輩はインドアとして有名だけに「和真さんとご飯に行ったと言ったら、先輩方に驚かれた。『和真が行くんや』みたいな」と笑顔で振り返る。「僕もこういうご飯を後輩にごちそうできるような選手にならなあかんな」と当時に抱いた思いは自らの成長につながるとともに、後輩たちにも引き継がれている。
昨季まで2年間は坂本の後を受けて主将も務めたが、表立って何かをしたり、言ったりするタイプではない。それでも、誰もが「オンとオフの切り替えがすごい」と語る野球に取り組む姿勢や昨季の優勝決定時に涙したような強い責任感、先輩から愛され、後輩から慕われる巨人の中心的存在だったことは間違いない。
岡本は会見で「日本一になりたかった」と口にした。背番号25の思いは、後の栄光へとつながっていく。(浜浦日向)