ドラフト会議で創価大・立石正広の交渉権を獲得し、ガッツポーズする阪神・藤川球児監督=東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪(撮影・佐藤徳昭) 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が23日、東京都内のホテルで開かれ、阪神は3球団競合の末に1位で創価大・立石正広内野手(21)の交渉権を獲得した。思い続けた〝意中の人〟を射止めた藤川球児監督(45)は「タイガースの未来は明るい」と目尻をさげた。
1年にも及ぶ熱い思いは、信じ続けた〝縁〟として結実した。3球団競合でも、出会いを引き寄せるように右手でつかんだ残りくじ。創価大・立石の交渉権を引き当てた藤川監督は力強くガッツポーズを繰り出した。
「昨年のドラフトのときから、今年はもう立石くんで(いく)、というのはほとんど決めていた状態でしたから。そのため昨年に金丸投手、それからウチの伊原となったんですけど、それもこれも全て今年の立石くんをドラフト指名することは決めていましたから、本当に実現しました」
22日のスカウト会議後も当日に決定する方針を示していたが、昨年ドラフトの1位指名を投手で続けたのも、今年の大学ナンバーワンスラッガーに狙いを定めた戦略が根底にあった。それだけ、喉から手が出るほどほしい存在だった。
競合は事前公表の広島、そして日本ハムを加えた3球団。新井監督に新庄監督と、いずれもタテジマに袖を通した経験がある3人の指揮官での勝負となった。だが、阪神の抽選順は3番目。そこにこそ、事前に強調していた「縁」の太さが現れた。開封しようとして思わずポロリと紙を落としたが、すぐに拾い上げて中身を確認。胸に当てたまま封を開けない右隣の新庄監督を眺めた後、どっと沸く会場をさらに盛り上げるようにガッツポーズだ。
「ウチの3番、4番、5番のドラフト1位トリオの中に割って入る(存在)。それから、まだ若い、素晴らしい選手たちがいますから、切磋琢磨(せっさたくま)をして(ほしい)。しばらく先までタイガース、未来が明るくなりました」
今年のチームのクリーンアップは森下、佐藤輝、大山のドラフト1位トリオで形成。ただ、持ち前の打力だけでなく走塁技術も守備力も、何においても抜群のセンスを認めれば、頼もしすぎる先輩たちにもしっかり続き、これからの猛虎の歴史を築いてくれる男として確信する。そして、いまの力に甘んじず「持っている能力を、必ず私が開花させますから。安心してきてもらえれば大丈夫です」。大学№1から日本のトップへ駆け上がってもらうべく、成長を引き出すと約束した。
「来シーズン、一緒に、もう一回リーグを勝ちたいので。この後も(日本シリーズを)戦いますけど、タイガースに入ったつもりで、あさってから見てもらいたいな、と。一緒に頑張りましょう」
来季には球団初のリーグ連覇という大きな挑戦も待っている。ファンのその夢は、立石とともにかなえる。(須藤佳裕)