プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(23日)杜の都で急成長を遂げたスラッガーが憧れの舞台へ―。その瞬間は想定外のスピードで訪れた。日本ハムと競合し、広島に外れ1位で指名された仙台大・平川蓮外野手(21)は、引き締まった表情で丁寧に言葉を紡いだ。
「まさかこの順位で呼ばれると思っていなかった。きょうは喜んで、あしたから(プロに)ふさわしい野球人として頑張っていきたい」
187センチ、93キロの恵まれた体格のうえ、走攻守そろった両打ちのパワーヒッター。打球速度は左右ともにプロの中でもトップクラスの170キロに達する。「左は広角に打ち分けるバットコントロールがあり、右はパワフルさがある。両方で本塁打を打てるのが強み」。全勝優勝を果たした今夏の日米大学野球選手権では全5試合にスタメン出場。未来のメジャーリーガー候補生を相手に打率・375(16打数6安打)を残すなど実績十分だ。
大学でその潜在能力が開花した。最速140キロ超えの右投げ左打ちの投手として入学したものの、打力を見込まれてすぐに野手へ転向。さらに元々右打ちだったこともあり、森本監督の勧めで2年秋から両打ちに挑戦した。「(両打ち転向後も)あまり苦労せずに楽しくやってきた」。左右どちらの打席でも長打を放つことができる稀有な打者として注目を集め始めた。
父は夏の甲子園最多の41度出場を誇る北海(北海道)の平川敦監督。野球を知り尽くした名門の指揮官に、幼いころからたたき込まれた〝サラブレッド〟だ。この日に向けては「ドラフト(候補)だからといって偉くなったわけじゃない。今までやってきたことを継続しろ」と厳しくも愛のある一言をかけられた。
広島の印象を問われると「行ったこともなくてどこにあるかもわからない」と照れくさそうに笑い、広島風お好み焼きやもみじ饅頭の存在すら知らず「そんなものがあるんですか」と驚いた表情を見せた。それでも野球の話になると目の色を変え「新井監督には右打者としての技術を聞いて成長したい。同じ中堅手でメジャーでも活躍された秋山さんには守備を一から聞きたい」と弟子入りを志願した。
「30本塁打、30盗塁、打率3割のトリプルスリーを目標にやっていきたい。バッティングだけじゃなく、走攻守すべてにおいてアピールしていく」
まだまだそのポテンシャルは計り知れない。ドでかい決意を胸に、平川蓮が唯一無二の大砲になる。(秋葉元)
■平川 蓮(ひらかわ・れん) 2004(平成16)年3月31日生まれ、21歳。北海道札幌市出身。大倉山小4年時に軟式の円山リトルジャイアンツで野球を始め、宮の森中では軟式野球部に所属。札幌国際情報高では2年夏からベンチ入りしエースで4番。仙台大進学後に野手に転向し、1年秋にリーグ戦デビュー。2年秋に左打ちから両打ちに挑戦。4年秋に仙台六大学リーグで最多打点、最多本塁打、最多盗塁、ベストナインを獲得。父は北海高・平川敦監督。目標の選手はレッズ・デラクルーズ。50メートル5秒9。遠投120メートル。187センチ、93キロ。右投げ両打ち。