オリックスに1位指名され、母の七恵さんと一緒にポーズをとる延岡学園・藤川敦也選手=延岡学園高等学校(撮影・渋井君夫) プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(23日)オリックスからドラフト1位指名された延岡学園高・藤川敦也投手(18)が宮崎・延岡市内の同校で会見。「山本由伸以上のポテンシャル」を持つ最速153キロ右腕は、48歳で亡くなった父・真一さん、支えてくれた母・七恵さん(53)の思いを背負い、プロの世界に挑戦する。
涙が止まらなかった。亡き父との約束、母への感謝を胸に臨んだ運命のドラフト会議。藤川は一生忘れられない18歳の誕生日となった。
「もちろん1位で選ばれてうれしかったですけど、驚きの方が大きかったです。(これまでの誕生日で)一番です」
九州ナンバーワンの呼び声が高い本格派右腕。「伸びるボール、質には自信を持っている」と胸を張る最速153キロの直球に、キレのあるスライダーが武器だ。宮崎・都城高で山本由伸(ドジャース)を育てた延岡学園高・森松部長もその能力の高さには太鼓判を押す。
「本当に(山本と)一緒の成長曲線。ポテンシャルや体の強さは間違いなく由伸よりも上だと思います」
ドラフト前夜には森松部長のもとに山本から「プロに入って、藤川に会えるのを楽しみにしてると伝えてください」とLINEが届いた。その言葉を伝え聞いた藤川も「山本投手のように、オリックスのエースを任されるような投手になりたいです」と力強く誓う。3年連続投手4冠を果たした不動のエース。プロの世界では偉大な背中を追うことになる。
並々ならぬ覚悟で運命の日を迎えていた。小学4年時に亡くなった父・真一さんからの「プロに行ってほしい」という願い。そして、女手一つで支えてくれた母・七恵さんへの恩返しのため、大学・社会人からの50以上の誘いを断り、プロ一本で勝負。信念は実を結び、夢への扉をその手で開いた。
「(父は)『おめでとう』と言ってくれていると思います」
フラッシュに包まれた藤川は、すっと天を見上げた。遠くで必ず見守ってくれている父にまで届く活躍を-。涙でかすんだ視線の先には、輝かしい未来が待っている。(萩原翔)
■藤川 敦也(ふじかわ・あつや)2007(平成19)年10月23日生まれ、18歳。福岡・飯塚市出身。穂波小1年時にソフトバンク・ホークスのキッズスクールで野球を始め、穂波東中ではヤング北九ベースボールクラブに所属。延岡学園では2年秋からエースを担う。最速153キロ。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、フォーク。好きな選手はオリックス・山下舜平大。183センチ、88キロ。右投げ右打ち。