NPB最高峰の舞台を踏むために、宮崎の地で自身を見つめなおす。ソフトバンクとの日本シリーズを目前に控え、前川右京外野手(22)が「みやざきフェニックス・リーグ」に参戦している。
「やっぱりこのまま悔しいまま終わりたくない。自問自答して頑張りたいなと思います」
飛躍を期して臨んだ今季は69試合の出場で打率・246。満足のいくシーズンではなかったが、10月2日のヤクルトとの最終戦(甲子園)で待望の今季1号を放ち、「最後の最後に打ててよかった」と手応えをつかんで、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージに挑んだ。しかし全3試合に出場するも6打数無安打、3三振。巻き返しへの思いが空回りした。
「結果を欲しがってボールを長く見て、すべて悪循環だった」
3三振のうち、2つが見逃し三振。ボールに差し込まれる場面も目立ち「やっぱり縮こまっていた。自分の良さがすべて消えてしまっていた」と振り返る。〝原点回帰〟を胸に、実戦感覚を取り戻すべく宮崎へ。テーマは「インサイドアウトの徹底」と「シンプルに考えること」だ。
20日のロッテ戦(都城)では「6番・左翼」で先発出場。第1打席で右前打、第2打席では左翼線にポトリと落ちる安打を放ち、2安打と結果を残した。それでも本人は「良くないですね。全然納得していない。やっぱり強い打球で、打席内容を良くしていかないといけない」と厳しい評価を自身に下した。
1軍のレベルを知り、昨季は打率・269、4本塁打、42打点を記録したからこそ、現状には満足できない。一方で平田2軍監督は「格の違いを見せてくれた」と高く評価した。「若い選手たちも、ちょっと違うなと感じたと思う。彼らは日本シリーズに向けてだけど、それを見せてくれただけで、残りの試合にとってすごくいい刺激になった」。前川の存在は、若手育成の場で確かな刺激となっている。
「まだまだやらないといけないことはある。何かをつかまないといけない」
宮崎での時間が、チームを2年ぶりの日本一に導くためのカギとなる。(萩原翔)
■前川 右京(まえがわ・うきょう) 2003(平成15)年5月18日生まれ、22歳。三重県津市出身。津市立一身田中では「津ボーイズ」でプレー。智弁学園高1年春から左翼のレギュラーに定着し、同年夏から4番。3年春の選抜では8強、同年夏の甲子園では準優勝に貢献した。高校通算37本塁打。2022年ドラフト4位で阪神に入団。今季は69試合出場、打率・246、1本塁打、15打点。通算218試合出場、打率・259、5本塁打、64打点。176センチ、86キロ。年俸3200万円。左投げ左打ち。背番号「58」。